NEON GENESIS EVANGELION
ANOTHER STORY
SAVE THE LOVE !!
EPILOGUE ~いつも心重ねて~
written by とみゅー
エヴァ14号機の爆発の影響で、マンハイム市全体に多大な影響を与えた。
第三支部施設はほぼ消滅し、市街地はその後発生した地震によって多くの建物が到壊した。
住民は市長からの避難命令により、周辺地域への避難を完了させており、市民の犠牲者はなかった。
NERVは被害を免れたホテルを接収し、攻撃部隊の人員や救助された人間を収容して使用しており、怪我人の治療もそこで行っていた。回収され治療を終えたシンジは、夕食の用意されているカフェテリアの入口で同じく治療を終えたはずのアスカが来るのを待っていた。
『...アスカ...遅いな...』
暫く待つが一向にアスカが現れる気配はなかった。
『...食べないのかな...?』
心配になったシンジはアスカを捜しに歩き出した。部屋に戻っているのかもしれないと思ったシンジはアスカの部屋に行き、ドアをノックした。
「アスカ?」
返事はなかった。
「どこ行ったんだろ...」
シンジは再び、アスカを捜し始めた。
カフェテリアの2階にはラウンジがあるが、現在は使用されておらず、明かりは消されていた。
『...もしかしたら...』
ラウンジからはカフェテリアの様子が一望でき、派遣部隊の隊員達が談笑しているのが見渡せた。
アスカはソファに腰掛け、もの憂げな様子でぼんやりとしていた。
「ここに居たんだ...捜したよ。」
シンジは優しく声をかけ、アスカの隣りに腰掛けた。
二人の間に訪れる沈黙。
シンジも黙って、騒いでいるムサシ達を眺めるが、不意にアスカからの言葉に振り向いた。
「...なんか...居辛いの...」
「...そう...」
「だって、アタシはあの人達にとって敵だったのよ...彼等の仲間を...何人も...」
アスカは堰を切ったように話し出した。
シンジだけには聞いて欲しかった...自分の思いを。
今回の派遣部隊は多数の死傷者を出している。
それが戦闘だったとは言え、エヴァのコントロールが出来なかったとは言え、アスカは自分の責任を非常に重く感じていた。
シンジはアスカの細い肩を抱くと自分の方へ引き寄せ、アスカに言い聞かせた。
「アスカ...そんなに自分を責めないで...僕には解かってるから...」
シンジの鼓動を聞きながら、アスカは安心感に包まれる。
『...シンジはアタシの事見てくれる...嬉しい...でも...』
アスカは不安げな眼差しをシンジに向ける。
「大丈夫だよ。心配無用!!」
そう言うと、シンジはアスカの手を引っ張った。
「あ、ちょ..ちょっと!シンジ!!...だめよ!!」
いつの間にか、自分より背が高くなり、均整の取れた身体をしているシンジの後ろ姿に声を掛ける。
そんなアスカの手をとり、強引に引っ張りながらシンジは下のカフェテラスへ連れていった。
作戦が一段落し、それぞれ思い思いの時間を過ごし、笑い声の絶えなかったカフェテラスだったが、シンジがアスカを連れて入ってきた途端に静まった。
周りの視線が二人に集まる。
「...だから、駄目って言ったのよ!!...」
シンジの影に隠れて小声で文句を言ったが、後の祭りであった。
暫くして、沈黙を破るようにムサシが立ち上がった。
「おお!見ろよ!今回の主役がお姫様を連れて、ようやくお出ましだぁ!!」
それを口火に、テーブルのそこかしこから、二人を冷やかす口笛や歓声が巻き起こった。
「お姫様を助けにはるばるドイツへ!二尉もやりますねぇ♪」
「どうやって、攻略したんだぁ!」
口々に二人を肴にして、盛り上がる隊員達。
パイロットの一人がシンジの隣にやってきて、アスカを眺めながらシンジに話し掛けた。
「“エヴァ”!頼む。このレディにワインを一杯奢らせてくれ!」
そう言うと、二人に席を勧めた。
「えっ...でも、アタシは...」
戸惑うアスカを見て、シンジは軽くウインクした。
「アスカ。座ろう。」
「....ありがとう....」
瞳を潤すアスカを見て異様にボルテージの上がるカフェテラス。
彼等は飲んで騒いだ。
失われた仲間達への哀悼...そして、今日生あることを感謝し、喜びながら...
常に死と隣り合わせの世界...だからこそ、彼等は常に今日という日を精一杯生きるのだ。
同じパイロットとして、彼等の気持ちは良く解かる。
「アスカにも、見て欲しかったんだ。」
テーブルにワイングラスを運んできたシンジは、アスカにグラスを渡しながらそう呟いた。
「うん。」
アスカは、ワインを一口飲み頷いた。
アスカもようやく彼等に慣れてきて、少しずつ打ち解けてきた。
隊員達も酒に酔いつぶれている者も現れてきており、シンジとアスカもワインからコーヒーに飲み物を換えていた。
話題も、昔話から最近の話に移っていた。
「グーテンアーベント!シンジ・ウント・アスカ!!」
突如呼びかけられた二人は一斉に声のした方を振り向いた。
「「ミサト(さん)!!」」
片手に黒ビールの大ジョッキを抱えたミサトが、二人の座ってる席にやってきた。
「お食事後のお楽しみの所悪いんだけど、チョッチいいかしら?」
「構わないですよ。どうぞ。」
シンジはミサトに椅子を勧めた。
「ありがとう。失礼。」
ミサトはジョッキをテーブルの上に置き、シンジとアスカの方へ向き直った。
「弐号機の事なんだけどね...」
二人の前で本題に入るミサト。
「本部からの指令で、放棄する事が決定したの。」
ミサトの言葉に衝撃を受けたシンジは呆然とし、アスカは手にしたコーヒーカップを下に落とした。
呆然としながらも、冬月が今回の作戦の終了後、破損するしないを問わず、保有する全てのエヴァを廃棄処分にするであろう事はシンジには予想がついていた。
『...でも、このままじゃ...アスカが...』
シンジはアスカの気持ちを思うと、胸が痛くなった。そして口にせずにはいられなくなり、ミサトへ懇願した。
「しかし、弐号機の...せめてコアの回収だけは...お願いです。ミサトさん。」
「エヴァパイロットとしてのあなたの気持ちは分からなくもないわ。でも、これは決定事項なの。もう覆すことは、冬月司令であっても不可能よ。」
「ですが...!!!」
ミサトの冷静な言い方に、席を立ちあがって不服を申し立てるシンジをミサトはピシャリと制する。
「碇二尉!そこに居る惣流博士を無事に救助し、不問に出来た事自体が奇跡なの!そして、NERVが極秘裏にエヴァを再び保有していた事が知られてしまった以上、もうそのエヴァを廃棄するしかないの。」
「クッ...」
力無く椅子に座り込むシンジをアスカがそっと支えた。
「もういいの...シンジ...ありがとう...」
アスカはそう言うとミサトの方へ視線を移した。
サファイアブルーの澄んだ瞳がミサトを見据えた。
「ミサト...いろいろ迷惑かけてごめんなさい...もっと早く言いたかったんだけど...言い出せなくて...おまけに、弐号機まで...」
ミサトはアスカの瞳を見詰め、優しく微笑んだ。
「いいのよ。弐号機だって実は今夜中にコア部分だけは回収するように命令は出したわ。」
「「えっ?」」
「ごめんねぇー、シンちゃんとアスカ...試させて貰ったわ...今のあなた達がどれだけ相手を思いやれるのかね...心配だったのよ、保護者としてはね!」
そう言うとミサトはビールをグイッと飲みながら、唖然としている二人にVサインをだした。
瞬時に顔を真っ赤にしながら、互いに見つめ合って俯く。
「「...ミサトォー(さん)!!」」
二人は猛然と抗議を始め、ミサトはニヤリと笑って席を立った。
「まぁ、そんな訳だから、今日は楽しんで飲みましょうよ...じゃまた後でね♪」
「....かなわないね...ミサトさんには...」
「ホント...」
ミサトは二人から離れると、ムサシ達の席に乱入していった。
「みんなッ!今日は気分がいいわ。ガンガン飲むからついてきなさいよ!!」
「「「「「おー!!」」」」」
ミサトが加わり、大いに盛り上がる会場の雰囲気に飲まれてしまうアスカ。
そんなアスカの細い腕がクイクイッと引っ張られる。
振り向いた先には、シンジが真剣なまなざしでアスカを見つめていた。
「うん?...どうしたの?」
「アスカ...後でいいんだけど...時間を作ってくれないかな...?」
彼女のすぐ傍に寄り、耳元で囁いた。
「えっ...?」
「その...話が...あるんだ...静かな場所で、二人きりになりたい...」
いつもの頼りないシンジとは、異なったシンジがいるような気がした。
シンジの言葉に、ドキッとするアスカであったが、その胸の高鳴りを努めて抑える。
「いいわ...後でアタシの部屋に来て...」
「...よかった...ありがとう。」
はにかみながら、笑顔を見せるシンジに、アスカは思わず頬を赤らめてしまう。
「じゃあ、アタシは先に戻ってるから...」
照れを隠すように、席を立ちスタスタと歩き出した。
「ちょっとぉー!何隅っこでヒソヒソやってんの!!こっち来て飲みなさいよ!!」
小声でヒソヒソ話してるシンジとアスカを目敏く見掛けたミサトが二人のところへ寄ってくる。
「僕は、もうちょっと付き合ってくから...」
「うん、じゃ後でね!」
そう言うと、アスカは身を翻して、部屋に戻って行った。
その後ろ姿を見送るシンジの首をミサトの両手が強力に絞めあげた。
「...ビ...ビザド..ザン...グッ...グルジー...」
「シンちゃん、アスカと逃げようったってそうはいかないわよん♪」
必死にもがいて、ミサトの魔の手を振りほどいたシンジは咳込んだ。
ミサトは何時になく絶好調で、シンジはその後ゆうに2時間は付合わされ、隙をみて逃げ出した。
「...ふぅ...まいったな...」
時計は午後11時を回ってしまっており、シンジは軽く舌打ちした。
「...アスカ...寝ちゃったかな...」
アスカの部屋の前で、行ったり来たりして何事かを考える。
やがて、意を決したシンジはドアをノックした。
「どなた...?」
中からアスカの声が聞こえた。
「アスカ?...シンジだけど...」
「あっ、ちょっと待ってて!」
慌てたようなアスカの声がして、ドアの向こうからドタバタと音がした。
「...入って...」
オートドアがプシュと音を立てて開かれる。
中に入ったシンジは、アスカの姿を見て慌てた。
「あっ!ご、ごめん...お風呂入ってたんだ...出直すよ!!」
純白のバスローブに身を包み、同色のバスタオルで髪の毛を拭き上げているアスカの姿を直視できず、視線を泳がせながらシンジは外へ出ようとしたが、その腕をアスカに掴まれて立ち止まった。
「...話があるんでしょ?...アタシと...」
俯いたままアスカは呟いた。
「うん...でも...アスカの姿を見たら...その...なんて言ったらいいか...」
「何よ!アタシに魅力がないって言いたいのぉ!?」
「違うってば!そうじゃない!!...逆だよ!」
むくれたアスカを見て更に慌てたシンジは、顔を真っ赤にして思わず口走った。
「アスカが、眩しくて眼が合わせられないよ...言葉が出なくなってしまう...」
アスカの頬がカァーッと朱色に染まる。
「あ、あんたバカァ!?...それじゃ、何しに来たのかわからないじゃない。」
「ごめん。」
シンジらしいリアクションに、アスカはフッと顔をほころばせた。
「待ってて、髪乾かせて着替えてくるから...シンジはお茶でも煎れててよ。」
シンジの返答を待たず、アスカは隣の部屋へ向かったが、何かを思い出したように立ち止まり、ドアの前でクルリと振り返ってシンジを睨んだ。
「言っとくけど、覗いたりしたら殺すわよ!」
ピシャリと閉じられるドア。
唖然として立ち竦むが、すぐに笑いが込み上げてきてクスッと笑い、シンジは紅茶を入れる仕度を始めた。
それから、30分後アスカは部屋から出てきた。
シンジはソファに座り、先に紅茶を飲んでいたが、アスカが出てきたのに気付くとポットからティーカップへ紅茶を注いだ。
「お茶...入ってるよ。」
「ありがとう。」
アスカはティーカップをソーサーごと持ち上げると、シンジの隣に動いて腰掛けた。
一口紅茶を含むとアスカは眼を細めた。
「いい香り...これ本物のダージリンじゃない...よく手に入ったわね...」
「うん、とって置きの奴だよ。実は荷物の中にこっそり入れといたんだ...アスカと飲もうと思って....」
「嬉しい....ありがとう...」
「喜んでもらえてよかった...それより、その服...?」
アスカが身につけていたのはレモンイエローのワンピースとアスカの瞳のような蒼いチョーカー...
「覚えててくれたの?...アンタと初めて会った時に着てた服...さすがにあの時の服はサイズが合わなくなっちゃったから、新しく買ったんだけど...」
アスカは嬉しそうに、裾を広げクルリと一回転すると、シンジの前で即席のファッションショーをして見せた。
「初めて会った印象がとても強烈だったから、アスカと言うとプラグスーツかこの服を着てる姿ばっかり思い浮かべちゃうんだ...」
「何よ。それどういう意味!?」
ファッションショーを中止して、アスカは頬を膨らませてシンジに詰め寄る。
「それだけ僕にとってはセンセーショナルだったんだよ。アスカとの出会いはね...」
アスカの抗議のまなざしを優しく受け流した。
「...なっ...!」
「思えば...あの時から、僕はどこかで意識してたのかもしれない...その...アスカのこと...」
何か発しようとしたアスカの言葉を遮り、ティーカップに添えられた白い手をシンジは見つめた。
アスカもまた、ソファに座ると自分自身の手を眺め、黙って俯いた。
「僕は卑怯で...臆病で...ずるくて...弱虫で...いつも傷付くのを恐れてた...だから、誰にも心を開けなかった...裏切られるのが恐かった...でも、心の中では誰かに受け入れられてもらいたかった...たった一人でいい...僕をもっと解ってもらいたかったんだ...」
どうして、ここまで自然に言葉が出てくるのだろうとシンジは思った。
「そして、その対象が、ある日突然目の前に現れたんだ...その時は全然気がつかなかった...でも、その人と一緒に暮らして...その人と沢山喧嘩して...その人を傷付けて...僕はようやく解ったんだ...」
以前の自分では考えられない事だった。
ただ、今は自分の思うことをそのまま口にしようとしていた。
相手に気持ちを伝えるのは最後はやっぱり言葉なのだから...
「その人のために...僕は頑張れた...離れていても、どんな事でも迷わずできた...その人の笑顔をずっと見ていたいから...」
そう言うと、シンジはアスカを見つめた。
交じり合う二人の視線。アスカの瞳の中に戸惑いと期待が浮かんでいた。
「...アスカ...僕はアスカを.....愛してる...」
アスカの身体がピクッと反応した。
『...遂に言ってしまった...もう後戻りはできない...でも、どうしても聞いて欲しかった...僕の想いを...』
「..................」
アスカの瞳が泳ぎ、潤んでいるのが見えた。
「僕がしたかった話は...これだけ...でも、僕の正直な気持ちさ...」
シンジは想いの全てをアスカに打ち明けると、ホッと一息ついてすっかり冷めてしまった紅茶を飲み干した。
「......シンジ...アタシは...」
言いかけて言葉に詰まるアスカだが、大きく息を吸って話を続けた。
「アタシは何時も一人で生きてきた...誰にも頼らずに...誰にも負けられなかった...
...負けることは自分を失うことだから...アタシはアタシで居たかったから...
...だから、すごく内罰的で自分の価値を認めようとしないあなたが、憐れで仕方がなかった...
...でも、アタシが倒せなかった使徒を倒してしまう...シンクロ率もついに抜いてしまう...何の努力もなしに...
...アタシは悔しかった...アタシの存在価値を奪われた気がして...あなたを憎んでさえいたわ。」
二人は6年前の出来事を思い出し、シンジは左の手首を握り締め、アスカはシンジの黒い髪を眺めた。
「そうだね....僕はアスカのことを傷つけてばかりだった...」
「でも、そんなアタシを...エヴァに乗れなくなって何の役にも立たないアタシを...シンジだけは見ていてくれた...自分の身体を引き換えにしてでも...アタシの事...守ってくれた...それがシンジの愛なら、アタシはいつもその愛に包まれてたのね...」
アスカはシンジにもたれ掛かり、胸に顔をあてシンジの鼓動を聞いた。
トクトクと波打つ音が、生きていることを証明する。
シンジの温もりがアスカには心地よかった。
その温もりに反発し、無理に作り上げたつまらないプライドのため、時に憎んだこともあった。
それでもシンジはアスカを守ろうとしていた。自分を投げ出してでも...
そんなシンジの気持ちに気が付いた時、アスカは生まれて初めて人のために泣いた。
そして、受け入れた.....『碇シンジ』という存在を...
彼女もまた願った...シンジを守りたい...ということを...
「シンジ...」
「ん?」
「アタシ...まだ解らないの...愛するっていうことが、どういう事なのか...」
「アスカ...」
「でも、アタシはいつもシンジに包まれていたい...いつもシンジを包んであげたい...
...その気持ちが愛だっていうのなら...シンジがアタシにその愛をくれるのなら、アタシもシンジに愛をあげたい...
だから、お願い!アタシの傍に居て...アタシだけを見て!」
アスカはシンジにしがみついた。
この時、二人の間に存在しているのは、紛れも無く『愛』である。
流れゆく時の中で、自然と作られ、ゆっくりと育まれていった大切なもの...
シンジはアスカを強く抱きしめた。
「アスカ....」
「んっ...」
アスカの小さな唇をキスで塞ぎ、その身体を抱き上げた。
「うん...それがアスカの愛だと思う...約束するよ...アスカだけを見ていく...」
「シンジ...愛してるわ...!!」
「アスカ.........」
やがて.......
.....パサッ....
「あっ....!」
アスカの身に纏われていたワンピースが乾いた音をたてて床に落ちた....
彼女は今、ずっと待ち続けていた人の前に素肌を晒していた。
白い小さな二つの下着だけを残して....
「綺麗だよ...アスカ...」
「いや...見ないで....」
アスカにゲルハルトにレイプされかかった時の事が過ぎり、身を固くする...
その事を知っているシンジは、アスカを心も身体も本当に癒したいと願っていた。
「アスカ...僕を信じて欲しい....どんなに哀しいことでも、僕が必ず....!!」
アスカは正直驚きを隠せなかった...
気弱なシンジ...卑屈なシンジ...だけど、それもシンジ...
でも、今自分の目の前に居るシンジは、とても強く頼もしい...
『アタシ...シンジに....ずっと、抱かれていたい....』
6年の歳月は、ひ弱な少年を精悍な男へと変化させていた。
細身のシンジが軽々とアスカを抱え上げる...
『.....嬉しい....もっと....アタシだけを見て...』
『アスカ.....君が欲しい.....』
その身体を、シンジは、抱きかかえベットに横えた。
「シンジ...明かりを消して....」
「...うん...」
ベットサイドの補助燈と月の光だけが室内を照らす....
再び重なり合う唇...
アスカは身を固くしつつもシンジに身を委ねた。
シンジに抱きしめられ、アスカは身体の力を緩めて行く...
「もっと、全身でシンジの温もりを感じたい...」
アスカはお返しとばかりに、シンジのシャツを脱がした...
色白で細身であったが、筋肉質のシンジの身体...
「何時の間に...こんなに精悍に...」
アスカはシンジの存在を確かめるように、その身体にキスしていく...
「シンジィ....」
彼の名を呼びながら...
アスカは気付かなかった...
シンジを精悍な男へと変化させたのは、アスカ自身にあることに...
アスカ同様下着姿になったシンジは、アスカの隣に横になる。
月明かりが二人のシルエットを照らし出す。
『...なんて...奇麗なんだ...』
そんなアスカの姿に、触れることへの躊躇いすら感じたが、シンジはできる限り優しくその肌に触れた。
ピクンと反応するアスカ...
触れ合う肌と肌...
手の平から伝わる、アスカの優しい感触...
甘い吐息とともに小さく声を上げる...
その閉じられた瞳の奥で求め続けるシンジからの想い...
「...ンジ...」
僅かに動く唇...伝えようとするシンジへの想い...
アスカは全身でシンジの存在を受け入れていた。
『アタシがアタシでいられるたった一つの場所....辛い事...哀しい事...全てが癒されていくよう....』
そして、自分の内側から、シンジを求めている事に気がついた。
『......アタシ...シンジが欲しかったんだ....』
下半身がジーンと痺れるような感覚...生まれて初めて実感する“濡れる”ということ...
『...恥ずかしい...見ないで...でも、もっとアタシを...見て...シンジ!!...』
『...アスカの全てを知りたい...だから...全てを見せて...アスカ!!...』
生まれたままの姿になった二つの影は月明かりの下で結ばれた。
雲が切れ、月明かりが窓の外から差し込み、寄り添って眠る二人の姿を照らし出した。
その光の眩しさにシンジは眼を開いた。
辺りは静寂に包まれ、微かな寝息だけが彼の耳に届いた。
『...夢...じゃ、ないんだ....』
自分の身体にピッタリと身体を寄せ眠るアスカを見て、シンジは幸福感に包まれる。
月光でキラキラと輝く髪を撫で、そっと掻きあげてみる。
安らかなアスカの寝顔がそこにはあった。
「...アスカ...」
愛しさが改めて込み上げてくる。
これからは二人で生きていけるという喜びが、彼の中を駆け巡る。
「...だけど...」
シンジは身体を起こし、窓の外に視線を移す。
「...これから、どうするんだろう....?」
『...アスカにはアスカの進むべき道がある...有機人工知能の発展とその研究...
...それはMAGIを上回るOSの開発...僕にはよく判らないけど...
...じゃあ、僕には何がある?...』
そう思いを巡らせたとき、シンジは愕然となった。
彼にとっては、アスカを取り戻すということが生きる目的であり、自らの存在意義でもあった...
それ以外のことは考えられなかった...
取り戻した後の事など考える余裕すらなかった...
『...僕には...何も...ない...!!』
これからどう生きればいいのか、何をすればいいのか全く判らなくなった。
無限ループに陥る思考...
シンジは、先程アスカに脱がされた服のポケットから煙草を取り出し、火をつける。
シンジは窓を少し開け、煙草を咥えながら考え込む。たなびく紫煙は窓の外へと流れていく。
時折光る赤い点...シンジは煙の行方を眺めていた。
「...どう...したの?」
アスカが眠い眼をこすりながら、胸元にシーツを手繰り寄せ起きあがった。
「あ、ごめん....起こしちゃった?」
「...眠れないの?」
掻き上げられた長い髪が月明かりにキラキラと輝く...
「うん...何でも無いんだ...ちょっと寝苦しかっただけ...」
煙草を燻らせながら、アスカに優しく微笑んだ。
アスカはシンジのその仕種が何となく絵になるように感じ、暫く見蕩れてしまっていた。
「嘘...」
慌てて意識を現実に引き戻したアスカは、シンジから煙草を奪い取った。
「シンジに煙草は似合わないわよ...」
そういうと、灰皿へ煙草を捨てた。
「考え事してたでしょ?」
アスカはベットサイドの明かりを点け、振り返った。
闇が彼方に去り、アスカの蒼い瞳がシンジを見つめていた。
「アタシに話してよ...シンジはもう独りじゃないわ...だって、アタシが居るじゃない...」
「アスカ...」
「アタシ...恐いの...また独りになるのが...だから、シンジがアタシの事『愛してる』って言ってくれたとき、決めたの...アタシの全てをあげようって...もう独りじゃないんだってことを実感したかったから...いつもシンジを身近に感じていたいから...」
シンジは自分に抱き着くアスカに心強さを感じた。
「だからお願い....一人で背負い込むのはもう止めて...」
改めてシンジはアスカの事を想った。
彼女が自分の前に全てをさらけ出す事が、どれ程勇気が要ったのだろうかということを...
そして、何もかも分かち合おうとする彼女の意思表示であり、シンジの全てを受け入れることを意味していた。
そんなアスカの気持ちを解ってあげられなかった自分を恥じた。
『...僕が馬鹿だった...また同じ事を繰り返すのか...』
シンジはそっとアスカを抱き寄せた。
「すまない...また、アスカを独りにしてしまう所だった...」
「ううん...いいの...解ってくれればそれで...」
シンジはアスカの長い髪を優しく撫でる。
「綺麗な髪...僕の大好きな...アスカの髪...」
「うん...シンジのモノよ....」
アスカはシンジに髪を撫でられ、うっとりと目を閉じる...
「アスカ、リビングへ行かないか?僕が新しいお茶煎れるから...」
アスカの顔に喜びが広がる。
「うん!!」
元気良くベットから立ち上がった二人は、お互いに裸である事に気が付いた。
「...服...着ようか...」
「...うん...」
新しく煎れ直した紅茶をカップへ注ぎ、ブランデーを少し加えてシンジはアスカに差し出した。
「ありがとう。」
Tシャツにショートパンツというラフなスタイルに着替え、ソファの上に胡座をかいて座り込むアスカは、シンジにニッコリと微笑むとカップを受け取った。
シンジはアスカの反対側のソファに腰掛け、紅茶を口に含んだ。
ブランデーの香気と、紅茶のすっきりした渋味が口腔を駆け抜け、疲れた身体をリラックスさせていく。
カップから口を離したシンジはアスカを見つめ呼びかけた。
「アスカ。」
「なぁに?」
「さっきの事なんだけど...実は、考えてたんだ...これからの事...」
カップをソーサーの上に置き、シンジはアスカの反応を確かめた。
「そう...」
「アスカが...どうしたいのか...知りたいな...」
アスカはティーカップをソーサーの上で、くるくる回している。
「シンジから...言ってよ...そう言う事は...」
顔を真っ赤にして、モジモジしているアスカの姿に怪訝そうな顔をするシンジだが、ようやくアスカの言わんとすることを理解した。
「あっ!...いや...その...ち、違うんだ...その事じゃ無いんだ!!...それはいずれ...ちゃんと...指輪とか...買ってから....」
シンジは狼狽し、思わず手を振って否定した。だが、その行動がかえってアスカの気を悪くした。
「じゃあ何なのよ!!」
かすかな期待を裏切られ、抗議の炎を瞳の中に燃やしながら、ドスの効いた声でシンジに詰め寄った。
様々な出来事がシンジを以前にも増して逞しくしていたが、アスカの前では、ついヘッポコになってしまう。
条件反射的につい『ごめん』と口走りそうになる衝動を辛うじて押え込み、シンジは説明した。
「聞き方が悪かった...僕が聞きたかったのは、アスカがこれから先もMAGIシステムの進化研究を続けたいかどうかなんだ...」
そう言うと、紅茶を一口飲み、シンジは言葉を続けた。
「正直言って、僕はこれからの事なんて考えもしなかった...アスカを取り戻す事が目的だったから...
飛行機の操縦資格も、弐号機を動かしたのも、アスカに逢いたいという思いから始まった事...他には何もない...」
真剣な顔付きで話すシンジを見て、アスカは何だかとても嬉しくなった。
「...ばか...無理しちゃって...」
アスカのせめてもの照れ隠しである事は、アスカの嬉しそうな表情からすぐに分かった。
「アタシはね、ドイツへ来てからずっとMAGIを上回るシステムを作りたいって頑張ってきたわ...
...でも、シンジに逢ったら、そんな事はどうでも良くなった...
...アタシの思う事は唯一つよ...
...いつも、あなたに包まれていたい...
...そして、もっと知りたいの...
あなたやアタシ自身...『エヴァ』や『使徒』...アタシ達が戦ってきた理由を...その意義を...」
アスカのサファイアブルーの瞳が、シンジの琥珀色の瞳を覗き込み、そして彼方へ向けられた。
シンジはふと気が付いた。
アスカがシンジの事を『あんた』と呼ばず、『あなた』と呼んでいる事に...
これが、アスカの本当の部分なのかもしれないと彼は思った。
「アスカ...」
シンジの顔に視線を戻すアスカ。
「一緒に行こう!...一緒に確かめよう!...自分達の戦いが何であったのかを...」
「うん!シンジと一緒なら...」
差し出される手と、それを握る手...
その身体は、互いに引き寄せられ...
重なる唇...
シンジとアスカは、再び二人だけの熱くて長い沈黙の夜を共に過ごした。
シンジは差し込む朝の日差しに眼を開いた。
初めて迎える安らかな朝だった。
長く輝くような紅茶色の髪を、シンジは愛しく何度も撫でる。
「...アスカ...」
その女性の名を照れながら、囁くように言ってみる。
「...う....ん...」
彼女は僅かに反応し、ムニャムニャ言っている。
「おはよう...アスカ...」
今度ははっきりと呼びかけ、僅かに開いている唇に優しく口付けした。
アスカの閉じられた眼が徐々に開き、瞳に命の灯火が灯される。
「...シンジィ...」
ぼんやりと視界が徐々に開けて行き、シンジの顔が現れる。輝くような笑顔とともに....
シンジの笑顔に頬を赤らめ、シーツを首まで被って見つめるアスカ。
シンジはそんなアスカが愛しく、もう一度アスカにキスをした。
「シンジ...」
アスカはシンジに抱きつき、その存在を確かめるように何度もシンジを呼んだ
「アスカ...」
シンジはアスカに呼ばれる度に彼女の名を呼びそれに応えた。
「これからよね...アタシ達...」
「そう、これからだよ...」
「僕...不器用だし...バカだけど...僕なりにアスカのこと...必ず幸せに...」
「うん、バカよ。あなたは...このアタシを6年も待たしといて、連絡一つよこさなかったじゃないの!?」
アスカは少しむくれてみせる。
「うん、その...ゴメン.....じゃなくて......僕が来るの待っててくれてありがとう!!」
「......」
「あの....アスカ?」
アスカからの反応がないことに不安になったシンジは思わず声をかける。
「90点。」
「えっ?」
「自分が悪いってちっとも思ってもいないクセに直ぐ謝る癖...相変わらずね...それがなきゃねぇ...」
「悪いって...思ってない訳じゃないんだ...ただ...」
言いかけて口ごもる。自分が思い上がってるだけじゃないかという疑念がシンジを捉えて離さない。
そんなシンジを見てアスカの表情は固くなる。
「ただ...何よ。」
促すアスカに意を決したシンジは、彼女を見つめ言葉を紡ぎ出す。
トツトツと含み込むように...
「アスカの事....信じてたんだ...何があっても...僕が...迎えに行くの.....
きっと待っててくれるって...だから...その...でも勝手だった...ゴメン。」
そんなシンジを見て、表情の固くなっていたアスカは急に表情を和らげた。
「いいのよ...アタシこそあなたにお礼言わなきゃ....」
呼吸を整えシンジを改めて見据える。
「ありがとうシンジ...アタシのこと最後まで信じてくれて...」
そう言うとアスカはシンジに抱きついた。
「アスカ...」
素直にシンジに言えた事がアスカ自身以外だった。
『...以前のアタシだったらきっとこうは言えなっかったわね...『あんたバカァ!? アタシを誰だと思ってるの? アタシはそんないい加減な女じゃないわよ!!』...位は言ってたかもね...でも、シンジ...あなたも人間的に凄く魅力的になったわ...だから...アタシも素直に言えるの....』
「どうかした?」
シンジの胸の中で小さく動くアスカに声をかける。
いきなりアスカはシーツをはねのけ、シンジの身体の至る所にキスをする。
「シンジ! 覚悟しなさい! このアタシを抱いたのよ!だからあなたは心も身体もアタシのモノ! 他の誰にも渡さないんだから!」
そう言うとアスカはシンジの首や肩、腹、背中などにキスの嵐を吹き荒れさせた。
「判ってるよ。だから...ちょっとアスカ!....止めてよ!!くすぐったい!!...キャハハハハ!!!」
身をよじって悶えるシンジをクスクス笑いながら、アスカの口撃は続けられた。
しかし、シンジの右脇腹へアスカが口撃目標を移そうとした時、アスカの動きが急に止まった。
「....!!...」
アスカの顔に驚愕という言葉がぴったりの表情が現れている。
そこには銃撃を受けた傷痕が残されていた。
6年前、銃弾の飛び交う中、呆然と立ちすくむアスカを庇い、彼女の盾となってその身に浴びた傷痕であった。
その傷痕を優しくさするアスカの瞳には、悲しみの色が浮かんでいた。
「うん...僕がドジ踏んだ名残り。でも、今では全然痛くないし後遺症もないから。」
アスカの気持ちを察してか、シンジは努めて明るく言い放つシンジであった。
「...ごめんなさい....アタシのために...」
アスカの瞳が潤んでいる。
「ねぇ、止そうよ。もう済んだ事なんだから...ね?」
「うん......」
アスカは改めてシンジに抱きついた。
シンジの胸に顔を埋め、声を発てずにひとしきり泣いた。
小刻みに震える細い肩....
そんなアスカをシンジは黙って抱きしめ、優しく髪を撫でていた。
ようやく落ち着いたアスカは、再び傷痕を見た。
「...勇敢なナイトがお姫様を守って受けた名誉の傷...勇者の証....」
アスカは躊躇うことなく、その傷跡にキスをした。
「...好きよ...世界中の誰よりも...あなたが好き...愛してるわ...」
「僕もだよ....アスカが大好きだ....愛してるよ....」
二人の唇が重なり合い、その身体も再び重なり合った。
二人の心は今しっかりと重なり合った。
数日後、日本に帰還するNERVの部隊にシンジの姿は無かった。
「葛城一佐、“エヴァ”は帰還しないのでありますか?」
「ストラスバーグ二尉、もう昔のように『シンジ』君でいいわよ。もう“エヴァ”のコードネームは必要ないもの。」
最後のエヴァンゲリオンを自らの手で消滅させ、アスカをようやく取り戻したシンジは、任を終えその翼を畳むだろうとミサトは思っている。
「それにあの二人は当面、ここに駐在して此処のMAGIの再構築を行うよう冬月司令から命令がでてるから。」
怪訝そうにするムサシにミサトはそう応えた。
「いずれ本部には帰還してもらって、使徒の分析やサードインパクトの影響調査はやってもらうけどね。
当事者としてね....
だから、今はせいぜいアスカと羽を伸ばしてなさい。
戻ったらコキ使ってやるから...部下として...そして私たち『家族』三人の家事担当としてね....
...いや、その時はひょっとして四人かも...」
ミサトの逡巡を耳にして、ムサシはこれから訪れるであろうシンジの数々の艱難辛苦を思いやって、瞑目した。
『...シンジ...アスカさんだけじゃなく、葛城一佐の面倒も見ることになるのか...
...俺はおまえがこの苦難の人生をきっと乗り越え、強く生きて行くことを親友として願うばかりだ...
...俺はいつも見守っているぞ....手は貸せないケド....』
最後はへっぽこなムサシであった。
バン!
何かがショートするような音がして、有機人工知能研究所は瞬時にしてその機能を停止した。
「ヒルダ!補助電源に切り替えて!急いで!!」
「はい!」
「テオ!メルキオールのデータバックアップは?」
「2時間前の奴があります。」
「結構よ。復旧次第、サルベージかけて!」
アスカは騒然とする研究所の中で瞬時に的確な指示を出していく。
その行動は自信に溢れ、明晰な頭脳は最高のコンディションで回転していた。
「原因は...何でしょうか?」
「アイツしかいないでしょう!!」
吐き捨てるように言うと、アスカは懐中電灯を片手に所長室へ駆け出した。
『...まったくもう!』
所長室に駆け込むと、バンと勢い良くドアを開け放って中にいる人物を罵った。
「バカシンジ!!何やってんのよ!!あれほどコンソールのスイッチ触らないでって言ったでしょ!?」
「違うんだアスカ!コーヒー作ってたら、ネズミが乱入してきて追いかけ回している内に、ネズミがポットを倒しちゃったんだ...」
暗がりの中シンジの情けない声が響く。
「だからあなたはバカなのよ!普通、電子機器の側にポットなんか置く?もう、信じらんない!」
「そこに置いてたのはアスカじゃないか!」
「アッ、アタシのせいにするの!? 」
「そっちこそ!大体アスカは、いつも自分の部屋をきれいに整頓しておく癖がないから、置場所無くなって変な所へ置いちゃうんじゃないか!」
「言ったわね!アタシは今沢山のプロジェクト抱えて時間がないの!あなたみたいに暇じゃないの!」
「その割には買い物には時間かけるね!?昨日僕を5時間もつき合わせておいて『時間がない』なんて良く言うよ!!」
「あー!酷いわっ!!シンジにはいつも綺麗なアタシを見て欲しいから、新しい服買いに行ったのに!!...シンジはアタシのコト愛してないのね!?」
「そんなっ....ずるいよ!!僕の気持ち解かってるくせに、そんなコト言うなんて....アスカこそ僕を愛して....」
「うっさいわね!バカシンジ!!」
アスカとシンジのケンケンガクガクの口喧嘩はその後きっかり2時間続き、最後は足下に現れた先ほどのネズミに驚いたアスカが悲鳴を上げてシンジに抱きついたことで収束した....
また停電は口論を始めてから5分後に復旧し、二人のやり取りは、そもそもの原因となった、件のネズミがオンにして行ったマイクを通じて館内にオンエアーされていた。
せめてもの救いは二人の会話が日本語で行われたため、職員の大半は内容が理解できなかった事につきる.....
だが、有機人工知能MAGIは密かに作動し、同時間に次のログを残している。
それはあたかも、赤木リツコ博士が乗り移ったかのようであった。
“....無様ね....”
なお、碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーはこの後
ようやく結婚することになるのだが....
「「それはまた、別のはなし....♪」」
Fin
1999-5/14作成
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どうも、こんにちは! 最終話をお届けしました。
ストーリー的にはありふれたものだと、ボクは思います。
ただ、このSSを通じて何が言いたかったのか...改めて申し上げますと
人と人の心の触れ合い...(友情や愛情,恋愛感情)というのは、きっかけが偶然であったとしても、
確率論的に言えば、それが凄い奇跡なんだということです。
では、その奇跡を維持できるのか...これはもう努力しかないと思うのです。
シンジとアスカの物語...エヴァキャラを使った、極端なストーリーでしたが繊細な二人を結びつけるのは試練が必要ですね...
これを読まれた皆様...こんな駄作に長らくお付き合い頂きましてありがとうございました。心より御礼申し上げます。m(_ _)m