しばらく画面を眺めていたミサトは、思いっきり怪しい表情でリツコに 「これはちょっち検討を要する問題ね」と言った。
そして、リツコの机に飲みかけのカップを置くと、すぐ「また来るわね。」と部屋から出ていった。
リツコは『また何か考えているわね』と思ったが関わるとろくなことがないことを知っていたので、
気に留めずに他のメールを開きはじめた。
ミサトは、その足でアスカの部屋に行ったが、そのドアには不在表示が示されていた。
『お茶でも飲みに行っているのかしら』
ミサトは索敵活動を再開した。
ミサトはリフレッシュルームに行き、目標を捕捉する。
アスカはプリントアウトしたデーター表を眺めながらフレッシュジュースを飲んでいた。
「アスカ、ここにいたの」
「ミサト、またサボり? 日向さんに仕事を押しつけているとそのうちクビになるわよ」
「誰がサボりよ。そーゆー事を言う悪い娘にはいいことは教えないんだから」
「別にミサトから教えてもらうようなことはないから困らないわよ♪」
「シンちゃんのことだけどなぁ~。アスカは知りたくないのねぇ。ふ~ん」
「そ、それを早く言いなさいよ。聞いてあげるから」
「『聞いてあげるから』? あなたまだ日本語が苦手みたいね。
それとも素直という言葉を知らないのかしら。
大人になって、少しレディになったなと思っていたけど…」
「くっ…」
思わずデーターを握りしめ、くしゃくしゃにしてしまうアスカ。
『いつまでたってもアスカはからかい甲斐があるわね。』と思いつつアスカの反応を楽しむミサト。
「わかったわよ、私が悪かったわ。だからすぐ話しなさい」
「ふふっ、シンちゃんね、今度、カンファランスの出席のために帰ってくるらしいわよ」
「うそ。昨日シンジと電話で話したけれど、何も言わなかったわよ」
「急きょ決定したらしいわ。
ちょっと前に向こうの教授からリツコにメールで連絡がはいったの」
何も言わず席から立ち上がったアスカをミサトは押し止める。
「アスカちょっと待って」
「ミサト、アタシ忙しいんだから。シンジに電話しなきゃ」
「だいじょうぶよ。シンちゃんがちゃんと連絡してくるわ。
それに時差があるから今はだめよ。それより、少し話があるの。
アスカの引っ越しはもうすぐだったわよね。そのことなのだけど」
座り直したアスカはミサトの話を聞きはじめた。
そして、聞き終えたアスカは「ちゃ~んす」な笑みを浮かべ、「ミサト、ありがとう。お願いするわ」と答えた。
「お姉さんにまかせなさい」
二人は仲の良い姉妹のように一緒に笑った。