戦いが終わりを告げた世界、エヴァも使徒も無くなり、ネルフもその存在をただの研究機関に変えようとする頃。
すべての人々はLCLから帰還を果たし少し優しくなった世界……少年少女が欲した世界。
人々はいつまでもその少年少女の記憶を刻んで生きている。
望しもの
「じゃあ始めるで。」
トウジの一言で土が掘り返される、いつもの暑さが手伝ってか見守る者たちの額もじっとり汗でぬれていた。
スコップで土を掘る音だけがやけに響く、遠くでセミの無く声が聞こえてくる。
新第三新東京市、旧第壱中学校のグラウンドの片隅にある大きな木の陰で四人はトウジの作業をただ黙って
見つめていた。
すべてが清算されつつある中、第三新東京市もやっと本来の首都としての復興がはじめられた。
戻る人々、新たな希望を求める人々で第三新東京市も活気にあふれていた。
そして第壱中学校にも人々は戻ってきた。
その中には激戦を避けてこの地を離れた者。
その時代に利用され名前を変えた者。
その激戦の渦中に巻き込まれた者。
そして最後までこの地で悲しみ、苦しんでやっと自分たちの居場所を見つけた者達がいた。
「なに?タイムカプセル?」
アスカとシンジがレイと談笑をしているとケンスケがトウジを連れてくると二人に話し出す。
「そうそう、せっかく無事卒業するんだし、結局何人かは進学ばらばらだろ?」
それぞれの道を模索しようと踏み出した彼らは高校受験と言うひとつの区切りに別々の道を歩き出す。
「そう考えてみんなで卒業式の前の日、将来の自分に手紙を書いて思い出の品と一緒に埋めようと思うんだ。」
ケンスケの提案に嬉しそうに答えたのは意外にもアスカだった。
「たまには相田もいいこと言うわね、よし!OKよ!」
アスカは何故か二駅先の女子高を選んだ、かなりハイレベルで有名な高校にトップで受かったため結構
話題になっている。
そこには意外にもヒカリも通うことになっていたため、発表の日には二人で喜んだものだ。
「アスカ…たまにはって…でもそれいい企画だね、じゃあみんなにも伝えなきゃ。」
シンジはアスカと同じ方向にあるこれまたかなりのレベルの私立高校に進学する、最初は近くの高校と
考えていたのだがアスカの強引な提案とスパルタ教育の甲斐で無事受かることが出来た。
レイはその二人の会話を嬉しそうに見つめている。
一番問題があったのが彼女であったが、どうやらケンスケ、トウジ、マナと同じ共学の高校への無事進学が
決まっていた。
「面白そうですね……。」
昼休み屋上で昼食を食べながら先ほどの提案にマユミは嬉しそうにつぶやいた、
そう言えば唯一彼女だけは復興著しい第三東京市から離れることになっていた。
「せっかく帰ってこれたのに……またさよならなんて寂しいですね。」
暑い日ざしが照りつけるが卒業まで一週間という日をしみじみと感じる。
「だいじょうぶよ、海の向こうじゃないんだから。」
ヒカリが励ますように声をかける。
「なに言ってるのマユミ!近くなったから頻繁に会えるよ。」
マナもその言葉を続けた。
実際、復興作業として第三から第二東京については直通リニアで二時間半で結ばれているのである。
「じゃあその日は夜の九時に校門前集合、肉体労働は男ドモにやらせるから、メッセージと記念品用意!いいわね。」
まとめ役のアスカがそう言うとみなうなずく、そしてその光景をみて自分の真横の人物を眺めて了承を求めた。
「アンタも!食ってばかりいないで聞いたわね?」
その横ではシンジのお弁当を幸せそうにほおばっているレイがきょとんとした表情でアスカを見ていた。
かなりの深さを掘っても目的の物は出てこなかった。
トウジはスーツに土がつくのもかまわずに全身汗だくになりながら作業を続ける。
「変わるぜトウジ。」
そういったケンスケは、トウジにタオルを渡す代わりにシャベルを受け取ると、ちょっとした穴になったところから出てくる
トウジに変わって土を掘り始めた。
「あんときゃ…・・はりきって……皆で……えらく掘ったもんな……。」
ケンスケは愚痴なのか嬉しいのかわからない表情で黙々と掘っていった。
「ね~シンジは何埋めるの?」
放課後の帰り道、レイ達と別れたシンジとアスカは同じ帰路を並びながら歩いていた。
戻ってきた父、新しい母、そんな二人と共に暮らそうとしたとき隣の少女が始めてシンジに懇願したことを思い出す。
最初はいつもの調子だった、高飛車で、傲慢で、気高く、胸を張りながらの会話。
しかしいつしか彼女の頬から自然に流れる涙にとってガラリと変わってしまった。
『だめだよう、シンジ!行っちゃ…行っちゃやだよう。』
『アタシ帰れないよう、パパもママのところにも……。』
『やだよう、一緒にいようよう……。』
気が付いたときシンジはアスカの柔らかい髪を優しく撫でていた。
自分がいても良いんだという受身の想いだけでは無いものが沸いてくる。
『ここにいよう……そしてアスカのそばにいよう…いやアスカの傍にいたいんだそれが僕の気持ちなんだ。』
そんな感情が心に芽生えたシンジはマンションから出て行く事は無かった。
そして二人はなかなか進展しないとぼやく保護者を尻目にゆっくりとそのステップを確実に歩んでいた。
「うん、僕もここに来たのは短いし、あまりいい想い出は無いけどね、でも考えとくよ。」
何かはぐらかされたような気がしたがアスカは「そうだね。」と短く答えた。
不意にアスカの手の平が暖かくなる、見るとシンジが恥ずかしそうにそれでもしっかりと手を握っていた。
「さっさあ早く帰ろう、今日はハンバーグだから早く帰らなきゃね。」
「うん…………。」
たまに積極的になってくれるシンジのことをうれしく思いつつも、顔を赤らめ正視できないアスカは嬉しそうに答えると
手を握り返した。
恥ずかしい表情を夕方に隠して二人は自分たちの居場所へ帰っていくのであった。
「あったか?ケンスケ?」
トウジは汗を拭いながら掘り進めるケンスケに問い掛ける。
「無いな、でもこんなに深く掘ったっけ?」
ケンスケは腰を伸ばすと振り返りヒカリにつぶやいた。
「多分そこよ?あの大きな幹から五歩東って数えたもの。」
その言葉を聞いてマユミが「あっ。」と小さい声をあげた。
その方向に皆の視線が集まる。
「たしか……こっちの幹でしたよ……。」
自分のせいでも無いのに申し訳なさそうにマユミは離れた幹を指差した。
「「「「「……………。」」」」」
暫くの沈黙……そしてケンスケは穴から出てその脇にある無駄に終わった土を戻していった。
「あれっ?シンジと惣流は?」
卒業式前日、集合時間が過ぎてもやってこない二人にケンスケは他のメンバーに問い掛ける。
「知るかいな、大方乳繰り合ってんとちゃうか?」
「鈴原!!」
そのときトウジの後頭部から鈍い音がした、スローモーションで崩れるトウジ。
「ぬぅあんですって~。」
トウジが崩れ落ちる影から足を上げたアスカが現れた、その足の先にいた二人の少女は
『『あっ今日アスカ(さん)白なんだ。』』
とユニゾンで考えていたが。
「ごめん、色々書いてたりしたら遅れちゃって。」
「ホント、シンジは考えすぎるのよ!」
「何言ってるんだよ、アスカが全然書いてないし、漢字分からなかったからだろ、それに一杯書くし。」
「いーじゃない、乙女にはね色々書きたいことがあるのよ!」
「だからもうすぐだから書いたほうがイイよって言ってたのにサボルんだから。」
「ぐっ悪かったわよ。」
二人の終わらない会話を聞きながら皆うんざりしていた。
「さよか、もう夫婦喧嘩は後にしたってや、そろそろ行かんと見回りがうるさいで。」
ふらふらになりながらもトウジが仲裁に入った、昔の二人であれば全力で否定するのだが今ではその言葉を聞くと
両者で顔を真っ赤にするので黙らせるには一番効果がいいセリフになっていた。
最初にケンスケ、トウジと塀を登って向こう側へ消えていく、続いてアスカが上ろうとしたが躊躇したあとシンジを
行かせた。
シンジが塀の向こうに消えたのを確認すると、アスカが塀に攀じ登った、上半身だけ乗り出し塀の向こう側を見る
と期待道理先行した二人がニヤニヤとアスカの着地を待っていた。
「シンジ、その二バカ何とかしなさい。」
アスカの言葉に何を言っているのかわからないシンジを首をかしげる。
「アタシ、スカートなのよ!分かったバカシンジ!」
そういわれるとシンジは納得したように頷くとトウジとケンスケの真中にそれぞれの手で目隠しをする。
「トウジ、ケンスケごめんね。」
「なんや!裏切りもん。」
「イヤーンってシンジ!俺たちを裏切るのか。」
そうじたばたする二人を見て安心したアスカは塀を乗り越えると体を入れ替え今度は下半身だけシンジ達
の方に向ける。
「アッアスカ!」
両脇に二人を抱えながらその様子を見ていたシンジはそのはしたない姿に大声をあげた。
「しーっ、みんなを上げてあげないと困るでしょ!しっかりそのバカども抑えときなさいよね。」
そう言って皆を引き上げる度にちらちら見える白い影にどぎまぎしながらつい目を奪われるシンジだった。
「あっあったか?トウジ。」
ケンスケは土を戻してフラフラになりながら正解の場所を掘っているトウジに問い掛ける。
トウジはそこを無言で掘っていたがその言葉にボヤキをいれた。
「まったく何ちゅーとこまで掘ったんじゃ?」
「あの時は皆張り切ってたからね~。」
マナが可笑しそうにトウジを見ながら笑っていた。
そしてまた訪れる静寂、土を掘る音だけが単調に響きだした……。
皆が降り立ちようやく開放された二人を先頭にグラウンドの端をコソコソと歩く八人の行列は、
大きな樹の下で止まった。
「よし!ここにしよう。」
そう言ってケンスケがサバイバルバックから簡易スコップを組み立てて渡していく。
皆であーだこーだいいながら掘る場所を決める、そうすると三バカトリオはいっせいに穴を掘り始めた。
「バカシンジ!二人に負けんじゃ無いわよ!」
「碇君……。」
「トウジ!がんばって!」
「シンジ!ほらがんばって、ケンスケもほら!」
「皆さんがんばってください。」
少女たちの声援を受けて少年たちは楽しそうに張り切って穴を掘っていった。
ずいぶんと大きすぎる穴の周りで少年たちは息を切らして座っていた、
どうやら黄色い歓声にがんばりすぎたようであった。
「ハアッハアッハアッ……これぐらいで……どうかな?」
「グエウィホ…ゲホ…掘りすぎと…ちゃうか?」
「ヒィヒィヒィ…ゲホ…いいんじゃないかこんなもんで。」
そんな会話にアスカが「ご苦労!」と言って笑い出すとそれにつられて皆笑い出すのであった。
「おっあったで、これやこれ!」
しばらく掘り進んでいたトウジが大きな声で叫ぶと皆穴の周りに集まる、トウジはシャベルを放り出し
手でその周りを大事そうに掻き分けた、そして一言気合を入れた声をあげて穴の近くに置いた。
皆の前に十五年ぶりに小さ目のジェラルミンがその姿をあらわした。
ケンスケは地面に置かれたケースのロック番号をあわせていく、一つ、二つ、三つ。
そしてパチッと言う音を確認すると静かにケースを開けていった……。
「じゃあ皆手紙は入れたよな?今度は記念品いれようぜ。」
手紙の内容をあれこれ話していた皆がケンスケの一言で自分たちの小物を用意する。
「これは皆に見せながら入れようぜ。何せ今度はいつあけれるか分からないんだからな。」
ケンスケの言葉に皆うなずくと何故か円を描いたように集まりそれぞれの思いの品を差し出していった。
「俺はこれだよ。」
最初に見せたケンスケが差し出したものはカメラ、まだ真新しいカメラを見て皆びっくりする。
「ケンスケくんそんな高いもの入れていいんですか?」
マユミが不思議そうにたずねる。
「良いんだ……、これはいっつもみんなを撮っていた奴さ、だから今日で終わり、
まあこれからは新しい奴でまたってコトでね。」
そう言って大事そうにビニールにくるみケースにしまっていく。
「ワイはこれや。」
そこにはバスケットボールをぺちゃんこにした姿があった。
「どうしたの?これ?」
シンジが変に思い問いかける。
「なんや、覚えとらんのかいな、ワシらが最後の球技大会で優勝したときの栄えあるボールや。」
シンジとケンスケは嬉しく思った、義足をしているトウジが参加したバスケットボール大会。
トウジは義足と言うハンデに負けず必死に練習した、その姿に燃えた3-Aの全員で勝ち取った勝利。
「ワシの苦楽の思い出や。」
そう言ってトウジはケースに入れた。
「私はこれ。」
ペンダント……シンジとアスカは気づいた、そのペンダントが何であったかを。
シンジがすまなそうにマナにそのペンダントを返したときに見た涙。
アスカを選んだシンジのちょっと苦い思い出。
短い季節の三角関係……。
「縁起いいもんじゃあないんだけど……。」
そう言ってマナはケースに入れた。
「私はこれ。」
ヒカリが差し出したのは香水か何かのかわいらしい小さい空瓶だった。
「そっそれ入れるんか?」
何故かトウジが真っ赤になって答えていた。
「当然じゃない~、鈴原!なにあせってんのよ!」
アスカがその狼狽振りに追い討ちをかけた。
アスカは知っていたその小瓶がなんだったのかを、ヒカリの小さな勇気、それに答えたトウジ。
「そう私の大切なものだから……。」
ヒカリはそう言うと大事に紙に包んでケースに入れた。
「私は……これです。」
マユミが一冊の重厚なカバーがかかった本を取り出す。
「何?」
珍しくレイが不思議そうにそのカバーに包まれた本を見つめる。
「ここに来たときに書いていた詩集なんです……。」
恥ずかしそうに答えるマユミ。
「どんなの書いの?」
アスカが見たい!という目をしながら近づく。
「だめです!これは今度あけたら見せますから……。」
そんなことを言いつつ慌ててケースにしまっていった。
「お~あるある、ほらこれ山岸さんの詩集でしょ?」
ケンスケが笑ながらマユミに本をわたす、マユミは慌てて受け取った。
「でてくるね、あっこれヒカリの奴じゃない?」
マナが小瓶を手に取るとトウジとヒカリが真っ赤になっていた。
しばらく和気藹々と話していたがケンスケの一言で皆真顔に戻る。
「あったぜ……ほら。」
そういったケンスケの言葉を聞きながら、皆ケースの中を覗き込んだ。
そこにはインターフェースヘッドセットが寂しそうに六個入っていた…………………。
「じゃあ僕から……。」
そう言ってシンジがそれを取り出したとき思わずアスカとレイが「あっ。」と声をあげた。
そして二人で慌てたように自分の分を取り出しシンジと一緒に差し出す。
「アスカ、綾波……。」
そこにはそれぞれのインターフェースヘッドセットが握られていた。
「悔しいけど、アタシ達これがすべてだったのよ。」
「皆との絆……でももう必要ないの。」
その言葉に周りの親友たちも口を開こうとしない。
「苦しかったけど、今だから……いえるよ……アリガトウって。」
「うん。」
「アリガトウ、そしてサヨナラ。」
「今度は思い出として…僕が大人になったときに…もう一度見つめなおしたいから…。」
「しょってる~!アタシも少しだけまたねっ(今度はシンジと一緒にね)。」
「そうねサヨナラじゃない……またね……。」
三人は静かにケースにヘッドセットを入れていった……。
「さあ、元に戻して行こうぜ、アイツら待ってるから。」
ケースをしばらく見つめていた面々はそこから視線を外すとケンスケが閉じて立ち上がる。
そして掘り返した場所に黙々と土を戻していくのであった。
「ね~シンジ?いつ掘り出すのかな~?」
新しい生活が始まると意外とあえなくなってきたためこうやって二人で帰る事が多くなった二人。
明日から楽しい夏休みが待っていた。
「またぁ、すぐ掘り返すもんじゃあないの!まったく……。」
アスカの通う女子高では『いつも正門前の公園で待っている売約済みの好青年』の仇名
をいただいているシンジがアスカをたしなめた。
「だって~シンジ書いたこと教えてくれないじゃない。」
「だ~め!そう言うアスカだって教えてくれないジャン。」
「むう~~~~~。」
かなり膨れているアスカにシンジは微笑むとちょっと恥ずかしそうに顔を近づける。
「じゃあ今夜ミサトさん泊まりだから、一緒の部屋で話そっか?ねっ。」
その言葉を聞いたアスカは耳から真っ赤になって俯いて「うん」と可愛い声で答えた。
しかしそれもつかの間、シンジの後頭部にカバンの一撃を見舞った。
「もうっエロシンジ!そう言って何回アタシの部屋入ってんのよ!今日はちゃんと答えなさいよね!」
「それにそんなセリフどこで覚えるのよ!アンタの学校で使っていたらコロスわよ!」
恥ずかしさと嬉しさが勝負していたがどうやら前者が勝ったようだ、顔を真っ赤にして怒りのオーラを
纏いシンジを置いて先を急いだ。
『もう、教えてあげているのにな……。』
そう思いながらシンジはご機嫌斜めなお姫様を追いかけていった。
ケースを大事に運びながらケンスケ達は、第三新東京市を一望できる丘の公園を目指していた。
ちょっとした木々の間を抜けるとそこに大きなモニュメントをが見えてくる、そのモニュメントの前に
は真新しい花がいくつも添えられている、そして行き交う人々の手にも花束を抱えていた。
モニュメントの前まで来るとそこには車椅子に座った女性とそれを挟んで立っている二人が
ケンスケ達に手を振っていた……。
「これがアメリカ支部全滅の模様です。」
オペレータの言葉に皆緊張の色を隠せないでいた、その視線の先にはその映像が映し出されている。
次々に破壊される建物。
ひしゃげる兵器。
轟く爆発音。
そしてその中心には、あの時の忌まわしい記憶を呼び起こすものが咆哮をあげて佇んでいる。
爬虫類のような視線をスクリーン越しに向けるとその手を振りかぶる、そしてそこで映像は途切れていった。
量産型エヴァ………………その恐怖が司令室を包んでいた。
すべてが終わったと言ってもゼーレは存在した、しかし首魁を失った組織にネルフとしても協調路線を提示する。
すべては終わった、出来そこないの郡体として人は生きることを選んだのだ。
補完計画の遂行はもはや不可能。
すべてが水泡に帰した今、もはや争うことなど無い。
その言葉は正しかった、補完計画があってこそのゼーレだしかし悠久の時を手に出来なかった一部の狂信者は
違う道を選んでしまった。
『ならば世界をエヴァンゲリオンで手に入れるのみ。』
サードインパクトで失われたはずのエヴァ達はこうしてまた人の世に恐怖を降り撒く者として現れた。
「なぜ察知できなかったのよ。」
ミサトは特殊諜報部の加持に向かって怒鳴り散らした。
今度は使徒ではない、いつ何時どこを狙うか分からない獣を話してしまった焦りからか。
「俺たちも二体までは潰した、しかし巧妙に隠されたことと俺達が潰したことを察知してあちらが仕掛けてきたんだ。」
「何してんのよ、そんなことでよく諜報部なんてやってられるわね!」
その言葉を聞いて加持はミサトの襟首をつかんで言い返す。
「いい加減にしろ!言い訳もしない!しかし仲間も必死になってやったんだ、死んだ奴らに文句があるんなら会いに
行けばいいだろう!」
加持の気持ちもわかる、起動したエヴァに通常兵器など何も役に立たないのだから。
「現状を報告したまえ。」
そんな喧騒を上段の指令席から見ていた冬月が声をかける。
二人はお互いに落ち着いたのか謝りあうと静かに報告を始めた。
「現在、確認されているエヴァは四体です、
アメリカの三つの研究所、そして支部をことごとく殲滅後、強力なジャミングで行方をくらましました。」
「今後の予想は?」
沈黙を破ってゲンドウが問い掛ける。
「ヨーロッパ各支部に報復をかけて我々の戦力を殺ぎ落としていくでしょう。」
「対策は?」
その言葉を聞いてミサトは躊躇した、分かっている答えはひとつしかない、また頼るしかないのだ、しかし……。
「どうした、対策は?」
「……本部にて現存する量産型エヴァによる追撃、
……・各支部には索敵と連絡のみの機能を残して職員は避難、発見次第本部に連絡で対応する体制が考えられます。
……・またそれ以外に被害を最小限に抑えるため、各支部と連携して陽動にて日本近郊へおびき出し殲滅する手があります。」
沈黙が流れる……………。
現存が確認できたエヴァで抑えられたのは三体、そしてダミープラグでは稼動したものの制御は不能。
プラグの強制排出で何とか本部半壊を免れた。
そして迫り来る者たちはそんなものでは役に立たない。
『また、駆り出さなきゃならないのね…………………。』
「退役したファースト、セカンド、サードチルドレンに伝達、本日1800をもって職務に復帰せよ。」
ゲンドウの言葉も自然と重たいものとなったそれは苦渋の選択だろう。
「葛城二佐、どうする私から復帰の伝達を行うか?」
逃げではない、いま彼らに一番近いのは彼女なのだその想いがミサトに選択をせまる。
すべての視線がミサトに注がれる、懇願、同情あらゆる視線が。
「葛城二佐!これよりチルドレンの復帰の伝達のため帰宅の申請をいたします。」
そう言って指令席に向かって敬礼するミサト、その手はわずかに震えているのを加持は見逃さなかった。
「許可する。」
ゲンドウの声も何故か震えていた……………・。
「待ちました?」
ヒカリの言葉に車椅子の女性が答える。
「いいえ、今来たばかりよ。」
しかしその視線はヒカリ達を見ることは無く遠くを見つめていた。
その言葉を告げると咳き込み、前かがみになる。
「ミサト…・・無理するな……。」
隣にいた加持が車椅子のミサトのスカーフをかけ直す。
「ミサトさん……・あまり無理しないで…………。」
反対側にいた女性が耳元で声をかける、そのささやきに答えるようにそっと手を差し出すミサト。
その手を受け取り自分の頬に当てる青い髪の女性。
しかし、ミサトの視線が彼女に向くことは無かった。
「綾波……、これ持ってきたぜ。」
ケンスケはその様子を見ていたがケースからヘッドセットを取り出すとレイに手渡す。
ミサトから離れ振るえる手で受け取る。
そしてすべてが両手に収まると崩れるように泣き叫んでしまった。
「碇君!アスカ!」
そこにはかつて自分の母親の魂を乗せた巨人がいた、しかし今では自分を陵辱したその視線があるだけ。
アスカとシンジそしてレイは久しぶりにこのケージに佇んでいた。
「ずるいよね、泣いて頼むんだもん。」
その白い巨人を見上げながら隣のシンジにつぶやく。
「でも最初に返事したのアスカだよ。」
「何よう、不満なわけ~。」
「そんなはず無いよ、終わせらたかったんでしょ、悪夢を。」
シンジの的確な表現にアスカは肩を振るわせる。
「行きましょう……、終わらせに……私達の忌まわしい呪縛を今度こそ……・・。」
そう言ってレイはケージから去っていく。
その姿を二人は見つめている、レイに感じたのは憎悪。それは自分たちにではない、眠る白い巨人に向けられていた。
「行こう……アスカ……そして終わりにしよう、僕は逃げない、
こうしてアスカを救うチャンスをもらえたからだから今度は……今度は逃げないよ。」
シンジは優しく抱きしめその唇に自分の唇を重ねた。
ケージの上方でそれを見ていたミサトであったが今は冷やかすことなんてとても出来なかった。
「ミサトさん、これ。」
トウジが声をかけてミサトに手紙を渡す、読めないことは分かっている、しかし最初に封をきる権利があるのは彼女だけであった。
手探りでその手紙を受け取るともどかしそうに切り口を探す、右に左に。
そして封をした場所を見つけると慎重に切り取っていった。
そして器用に中身を取り出す、そして膝の上に一枚目を置くともう一束の封筒も同じように切り取っていった。
そしてその二つの封筒を右手に持ちながらひらひらとさせる。
「加持くんおねがい読んで………。」
そうつぶやいた。
「やっと登場ね!みんないい。」
「「「了解!」」」
陽動は成功した、エヴァがまだ現存する情報と建造するテクノロジーの公開、狂信者たちは焦らざろう得なかった。
自分たちの優位が無くなる、そして唯一エヴァの戦闘を経験する本部への恐怖、その恐怖が残存するエヴァをすべて
第三新東京市に向かわせた。
そしてミサトは発令所ではなく自ら指揮車に乗って迎え撃っていた。
「ロンギヌスの槍は持っていないけど油断は禁物よ。」
モニターに写る三人に真剣な表情で伝えていくミサト。
「やってやるわ、任せなさい!」
「任してください、ミサトさん!」
「大丈夫。」
三人が思い思いの言葉でミサトに答えた。
「OK!行きましょう最後よこれが!エヴァンゲリオン全量産機!リフトオフ!」
そしてパージされる拘束具。
最後の戦いが始まった……………・・。
『前略 未来の君へ
いきなりだけど幸せを見つけたかな?
僕はいまとても楽しい毎日を送っているよ、君はどうかな?
もし違っていたら謝るけど隣にアスカがいれば嬉しいんだけどね?
つらいことが多すぎたけど今の僕は元気です、僕がここで過した事は一生忘れられないと思うけど、
でも僕の選択は間違っていなかったと自信を持っていえるよ!今の僕はどうかな?
前向きに生きることを知ったんだ。
人は一人では生きていけないことを知ったんだ。
人は分かり合えるかもしれないと言う希望を見つけたんだ。
やっと分かったんだ、僕はやっぱりアスカが好きだって、同じ傷を持っているけど僕らはやっていけるって。
だから今はアスカと一緒にがんばっている、君の隣には誰がいるの?
もし違っていたらアスカに伝えてほしい、僕が輝いたのは君がいたからだよって、それぐらいはやってよね!
もし隣にアスカがいるのなら抱きしめてあげて、だって今の君はアスカが作ってくれたんだもの。
もう一度彼女に会いたいと願ったからだもの。
だからこれからは一生懸命生きるんだ、悔いが無いように、精一杯!もし落ち込んでたらこの手紙を見て!
そしてこのことを思い出して!
僕はきっとがんばれる!
だから残します、この想いを未来の僕へ。
あとひとつ、アスカを支えてやって、あの悪夢を見ないように。僕の臆病さの罪だから。
追伸 トウジ!ケンスケ悪いけど僕が一番乗り!』
「やってくれるわね。」
アスカは肩で息をしながら目の前に佇む量産機を見つめていた。
四対三、数の不利は一番シンクロ率の高いアスカが二体を引き受けていた。
隣でシンジがプログナイフの応酬を展開している。
シンジの優勢を確認するとスマッシュホークを握り直し再び目の前の敵に向かって躍りだした。
「きゃあぁぁぁ。」
そのとき聞こえたレイの悲鳴にアスカはよけた敵を牽制するとレイの方を向く。
「大丈夫!レイ!」
接近戦に不慣れなレイが量産機に噛み付かれる姿に過去の自分が映し出される。
「こんのー。」
あらん限りのスピードで敵に肉薄するとその頭上にスマッシュホークをたたきつけた。
頭から紅いしぶきを流す敵のエヴァ。
しかし手を緩めることは出来ない、彼らの再生能力は経験済みだった。
何度も何度もたたきつけ、切り裂く。
そして無防備になったコアをその目で確認すると、手を伸ばして握りつぶした。
残り三体になったがこちらもレイを欠くことなり不利な状況は変わらなかった、ミサトの的確な指示で
兵装ビルやUNの支援を借りてのこう着状態が続く。
しかし悪夢が再三アスカを襲った。
敵性エヴァから放たれたその物体はアスカの悪夢を思い起こさせるのに十分な物だった。
「「ロンギヌスの槍」」
「なんでアレはレプリカももう無いはず。」
ミサトが叫びシンジはその禍々しい姿に戦慄する。
そしてモニターから流れる絶叫。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
『未来のアタシへ
どう?元気してる?アタシは元気よ!なんてったって今超Happyなんだから!
アンタほんとアタシなんでしょうね?もし他人が見ているのなら即刻破り捨てなさい!
特にバカシンジ!アンタはこれ以上見たら殺すわよ!
でも一緒だったら許してあげる……アンタシンジをしっかり捕まえてたんでしょうね!
他の男でもいいケド安い買い物しないでよ!いまのとこ最高値更新中なんだから。
でもうれしかったシンジが一緒にいてくれて。
アタシの価値はアイツが知ってくれたの、ううんアイツが教えてくれたの。
アタシアイツが好き、今のところはね!
アイツといると自分がドンドンわかってくるの。
アイツといると自分がドンドン素敵になるの。
だから話しちゃ離しちゃだめ絶対だからね!
つらかった、アイツも逃げたから憎かった。
でもホントに苦しんだのはアイツだった、乗り越えたのもアイツだった。
今でもアノ怖い夢見る?アタシもたまに見るよ。
でもねそんな時アイツが抱きしめて寝てくれるのそうすると気持ちよく寝れるの。
だからアイツを信じてみるの!アイツと一緒にがんばってみようと思う。
だからその気持ち大切にしてね。
もしアイツに会ったら言ってやって『バカシンジ愛してるって。』
だから悲しいときは思い出して!アタシはこんなにも人を愛することが出来る人間だと言うことを
アタシは天下無敵の惣流・アスカ・ラングレー様だって!
アタシ今幸せだよ、だから残すね未来のアタシへ
PS、ごめんねみんなアタシ先に大人の階段上ったよ!!
シンジこの痛み一生忘れないんだから!! 』
「アスカ!よけて!」
ミサトが叫ぶ。
アスカの絶叫が木霊する、迫るロンギヌスの槍はまたしてもアスカを貫く…………・・はずであった。
アスカが目を開けたその先には白いエヴァが両手を広げて槍を受け止めていた、モニターから流れる声。
「もう…・・二度と…・・アスカを汚すもんか。」
シンジの機体から紅い液体がこぼれていく。
「シッシンジ!」
アスカが恐る恐るつぶやく。
「アスカ……・ピッ……・この槍で……ガッ……・敵を………悪夢を…………・。」
聞き取れないほど雑音が入ったモニターを凝視するアスカ。
「いやぁシンジ!シンジ!」
「シンジ君!」
その叫びと共に二度目の衝撃が来た。
三本の槍がシンジの機体を貫く、しかしシンジは倒れなかった。
「負けるもんか、絶対おまえらにアスカを汚させるもんか。」
シンジの言葉に涙するアスカ。
「アスカ!槍を抜いて早く!」
ミサトは決定打を使い果たした敵性エヴァの動きを見て指示を飛ばす。
敵のエヴァがシンジに取り付こうとしたとき、アスカは自分を取り戻した。
そしてシンジは自分に突き刺さった槍を引き抜いた。
『このままじゃあだめだ、いくらアスカでも三体が相手じゃあだめだ。』
そう考えたときシンジの心は決まった、せめて……せめて後のために……いや彼女のために。
ここで散ろうと。
これしかないと。
引き抜いた槍を両手に抱えて自分に刺さっている槍を無視して敵に向かって走り出した。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。」
シンジの雄たけびに応じるように心が無いはずのエヴァが咆哮をあげる。
敵のエヴァもその姿に恐怖を感じたように一瞬動きが止まる。
「だめよシンジ君、ハッまさか!やめなさいシンジ君!」
指揮車からシンジの決意を知ったミサとの言葉が響く。
アスカはその一言でシンジのやろうとしたいたことを知った。
「だめ碇君!よして!」
傷つき動けないエヴァから流れるレイの悲痛な叫び。
シンジは両手から繰り出した槍に二体のエヴァを串刺しにしそのまま残りのエヴァに突き進んだ。
逃れようとする最後のエヴァを抱きかかえるようにエヴァをつけた槍を回す、そしてATフィールドを全開。
逃れようともがく敵を凄ざましい膂力で押さえつける。
もがく敵性エヴァ。
そしてシンジはエントリープラグの自爆スイッチに手をかけた。
暴走していくタービンの音がこだまする。
その音に比例するようにATフィールドが弱まっていく。
一瞬、アスカの笑顔がシンジの前を横切った。
タービンの音が最高潮に達しようとしていた。
しかし弱まった腕からエヴァが抜け出そうとする。
『まだだめだ、まだ、もう少し後少しなのに!』
ゆっくりとはがれる腕からエヴァが這い出していく。
『ここまでなのか、あきらめちゃだめだ!』
そのとき敵性エヴァかの後ろがいきなり締め付けられた。
「アスカ!」
そこには回された槍と一緒にもがくエヴァを押さえつけ今まさに抜け出そうとするエヴァを捕らえたアスカの機体が見えた。
「だめ!アスカ!」
「離れなさいアスカ!」
モニターから悲痛の叫びが聞こえる。
「シンジ……、バカシンジ。」
アスカはゆっくりとシンジのモニターに呼びかける、そこにはいつも求めているシンジの顔があった。
「どこへいくのよアタシを置いて。」
「アスカ…・・。」
ゆれるモニターから涙を流しながらまっすぐ見つめるアスカの表情が見える。
「バカ、バカ、バカ、バカ、バカ、バカ、バカ、バカ、バカ。」
優しく微笑みながら言葉を口ずさむ。
「ごめん……。」
そんなアスカにばつの悪そうな笑顔を向けた。
「一緒に行こう、アンタとならいいよアタシ…。」
「皆に幸せを作ろうアタシ達の手で……。」
「ありがとう……。」
お互いにモニターを見つめる、アスカの後ろからもタービンの響きが聞こえていた。
見つめ合った目が閉じられ。
涙が一筋頬を伝う。
そしてお互いにモニターに近づいて。
最後のキス…………。
そして辺りは眩しいほどの光に包まれた。
二人を飲み込んで………………。
読んだ手紙を丁寧にしまうと加持はミサトの手を握りその封筒をそっと返してやった、あの時から光を失ったミサトの目からは
涙があふれている。
『シンちゃん…・・アスカ…・・ちゃんと会えた?だめよやっとやっとゆっくり眠れるのだから。
読んだわ二人の手紙、私が帰ってこないことをいいことに済ましてたのねもう……。
だからって何で何で、貴方達なんで死ななきゃならなかたのよっ!
これからこれからだったのにもうもう十五年も経ったのに!
いいわ……いいわよ……でもね……だけど……ごめんなさい!ごめんねぇ』
盲目のネルフ総司令葛城ミサトの頬の涙が止まらない、その隣にはその総司令を影で支える男がたたずんでいた。
『碇君……アスカ……・宝物……・絆……・返すね……・』
現ネルフ副指令である綾波レイは静かにモニュメントのそばにヘッドセットを置く。
平和を願い、幸せを願った戦友にそっとそれを返す。
そしてモニュメントを見上げる、そこにはこう書かれてあった。
『互いを愛しそして何よりも世界を愛した二人ここに眠る、
二人の旅路がよき旅路であることを世界の人々で願う。
碇・シンジ
惣流・アスカ・ラングレー 』
『二人ともカッコ付けすぎよ……・。』
戦自初の女性次官霧島マナはそう言って花を添える。
彼女はいまだ続く近隣の紛争を収めるため奔走していた。
『バカ野郎死んだら意味が無いじゃないか』
ロバートキャパの再来とまで言われている相田ケンスケはそう言って二人のモニュメントに写真を添えた。
カメラと一緒に入れておいたみんなで撮った写真を。
彼は今も戦争の悲惨さをファインダーを通して伝えている。
『お二人ともまた来ますね…・必ず……絶対……。』
そう言ってマナと一緒に花を添える山岸マユミ。
彼女の描く本はすべての戦争の悲しさを世界に伝えていた。
『アスカ……幸せ?……私は幸せよ……碇君放しちゃだめだよずっとずっと。』
洞木ヒカリは泣きながら二人の前に買ったばかりの指輪を置いた、二人のエンゲージリングを。
マザーテレサの再来と言われる彼女は、その固い決意を胸に人々に平和を訴えていた。
『シンジ……惣流よ、オノレら幸せになっとるか?』
その周りで同じように涙を流している鈴原トウジが誰に語りかけるでもなくつぶやいている。
義足の天才医師、彼は国境を隔てることなく人々を癒そうとしていた。
『オマエらが大事にしとった世界……・ワシ生とるで。
おまえらが残した世界必死で守ってる。
みんなで誓ったんや、おまえらの欲しかった世界、守りたかった幸せ……今度は俺らが守ったるってな。』
「だからよう見とけ!オノレらに会うときは胸張って会いに行ったるわ!」
突然トウジは叫んだ、皆の心を代弁するように……大きく大きく天に届くように。
一陣の風が吹く。
添えられた花が舞う。
皆が閉じた目を開けたとき。
確かに見えたのだ。
あの時のままの二人が微笑んで立っているのを。
そして皆に笑顔で答えたのだ。
「「ありがとう。」」
「碇君……アスカ。」
強い風が止みレイの頬にまたやわらかい風が頬を伝った。
その光景に、皆はまたこの世界を生きていこうと、守っていこうと誓うのである。
そして語られる、平和になっていく中でその想いが……その心が………。
God Is in his heaven、all right with the word……
fin
Written by あつみ