第二話 職権乱用

第二新東京市内某所のマンションの一室。
表向きは一見ごく普通の中流階層向けの賃貸マンションだが、実際には戦自の諜報活動の拠点の一つである。
室内には壁一面に特殊な無線機やセンサーのコンソールがあり、24時間3交代シフトで工作員が詰めていた。

「MAGIスクランブル通話確認しました。」

「なに?」

「現在解析中・・・解析結果でました。
通話ラインはNERV作戦本部発令所から葛城一佐作戦本部長。
暗号レベル4+。昨夜と同じです。通話内容のデコード、できません。」

「かまわん。発信源の特定ができれば良い。」

「発信源。発令所固定。葛城一佐移動中です。」

「移動トレースできるか?」

「スパイ衛星が葛城一佐所有の車両を補足しました。
MAGIスクランブル通話発信源と一致します。」

「よし。そのまま監視しろ。」

 

NERV本部発令所のオペレータ席で当直明けを待つ日向のもとに、ミサトから
のスクランブル通話が入った。

「おはようございます。こんな時間にどうしたんですか?葛城さん。」

『ん~ちょっちね。ごめんね。』

「いいえ、仕事ですから構いませんが、何かおきたんですか?」

『んとねぇ』

「はい」

『あたし、今日から何日か空けることになったんで、後のことはリツコに頼んどいたから、何かあったらリツコにお願いね。
一応携帯は持ち歩いてるけど、よっぽどのことが無い限り連絡いれないで欲しいのよ。冬月司令とリツコがいるから大丈夫だとは思うんだけどね。一応。』

「了解しました。・・・でも、よかったら理由を教えてもらえませんか?」

『う~ん。下手すると特務権限第3項適用事例になるかもしれないってことぐらいしか今は言えないのよ。』

「特務権限第3項適用事例・・・」

特務権限第3項。いったいこの言葉をミサトの口から最後に聞いたのはいつのことだろう。ゼーレとの最終決戦のときだろうか?いや、防げなかったサードインパクトの後にも一度あったかもしれない。
とにかくエヴァが絡んでいることだけは間違い無い。

『ともかく誰にも内緒。リツコには言ってあるけどね。日向くんから話題にしちゃ駄目よ。冬月司令にはリツコから話してもらう予定になっているから、あなたは絶対に守秘義務を遂行すること。いいわね。』

「わ、わかりました。注意します。」

真っ青な顔で応える日向の表情は真剣だった。
いったい何が始まるというのだ?

 

日曜日の夕方。ヒカリの家でお泊りして、楽しいおしゃべりで夜更かしして、今日は朝から一日中ヒカリとウィンドウショッピングを楽しんで、ご機嫌モードで帰宅したアスカだった。

「たっだいま~~。ミサト、昨日はごめんね。今日の晩御飯は奮発するわね!」

プシュッ~と背後で閉まるドア。

「あれ?電気もつけないで・・・まさか、まだ寝てるのぉ?」

常夜灯がともる廊下を怪訝そうに見つめてつぶやく。
まだ帰ってきてない?わけはないか。
カレーの匂いがしているもの。昨日作っておいた食事、食べてくれたってことよね。・・・で、後片付けもしていないと。ほんとにずぼらなんだから。
いくら加持さんだっていい加減にしないと、呆れられちゃうわよ。

アスカは苦笑しながら自分の部屋に荷物を放り込んで台所に向かう。
お気に入りのモスグリーンのエプロンを身に着け、ミサトが食べ散らかしたままのダイニングとリビングの後片付けを始める。

「とりあえず食べてくれたみたいだけど・・・
シンクに食器ぐらい下げておいてくれても良いと思うんだけどなぁ・・・」

先に食器を下げ、ゴミ袋をもって居間にちらかるビールの空缶を片づける。
昨夜は独りだったわりに空缶は4本しか無い。めずらしい。
休日前夜ともなれば、いつも10本前後は呑むはずなのに。

首をかしげてダイニングテーブルの上に昨夜自分が残したメモ用紙がそのまま残っていることに気付く。
読んだら読んだで捨ててくれれば良いのにねぇ・・・
ほんとにずぼらなんだから。
完全に2年前までの自分の行動を棚に上げてしまっているアスカである。

メモ用紙を片づけようと手に取ると、アスカはようやくそこに自分宛のメッセージが書かれていることに気付いた。

 

アスカ。

急で悪いんだけど、二~三日ぐらい家を空けることになったわ。

火曜日の夜には戻るつもりよ。ごめんね。

ミサト(はぁと)

P.S あたしがいないからって、男の子連れ込んじゃ駄目よ!

 

「ミサトったら・・・まったく幾つになってもガキねぇ~・・・」

半分あきれてつぶやくアスカ。
どことなく表情が暗い。

「・・・そんなことするわけないじゃない。知ってるくせに・・・」

ん?何か変じゃない?

何か気になる・・・なんだろう?

メッセージをもう一度眺める。

目的と所在が無い。NERVに関わる仕事ならそれも有り。普通は本部に泊まり込むとか、夕食は食堂で取るとか、状況説明ぐらいはつけてくれるが、今までに全く前例が無かったわけじゃない。

おかしいのは2行目の最後。帰宅予定が分かっているのに、なぜ「ごめんね」と書いてあるの?こんなの初めてだ。

そう考えると1行目もやっぱりおかしい。
わざわざ謝罪している。急で悪いけどって・・・。
NERVで急用なんて当たり前。今までだって何度もあった。
普段なら単に「二~三日仕事で空けます」の一言のはず。

謝罪からはじまって、謝罪で終わる、たった二行のメッセージ。

この謝罪は・・・アタシへの謝罪。無意識から出たものかもしれないけど、ミサトの本当の気持ちのはず。いったい何?わからない。不安。

 

ミサトの部屋へ行く。
ベッドの上に脱ぎ散らかした衣類がある。いつもは壁に掛けてある制服が無い。
ミサトは今、アスカの通う高校の教師をしている。
もちろん本職ではない。NERVからの出向だ。理由は・・・アスカのため。
残存するエヴァに唯一乗れるパイロットであるアスカに護衛がつくのは当たり前だと思う。通常兵器をいっさい受け付けないエヴァ。この世界で最強の兵器。
その気になればS2機関を搭載した量産型エヴァ1機で世界を征服することさえできるだろう。サードインパクト後もNERVが存続し、あまつさえ世界に対する影響力を高めつつある理由の一つ。残存する全てのエヴァを占有し、それを乗りこなせるパイロットもいる。さらにパイロット候補生達も・・・。
同級生の鈴原は適格者として選抜されエヴァに搭乗した経験すらある。
つまり級友達の幾人かはすぐにでもパイロットとして選抜される可能性があるのだ。だから学校にも手厚いガードが着く。ミサトが担任教師としてアスカの身近にいるのは、アスカとクラスメート達を守るNERVの意志の現われだ。
学校で授業がある平日の月曜日から金曜日までは、ミサトは学校に出勤する。
土曜日と日曜日(時には休暇となるが)は制服を着てNERVに出勤する。

ミサトがアスカに寄せる気持ちには、任務である以上に家族としての思いが込められている。ほとんど休みの無い生活。せっかく加持と婚約したのに、デートすらままならない毎日。アスカは感謝している。本当に感謝している。
自分は確かに世界のパワーバランスの一翼を担っているが、ミサトの目に映る自分が等身大の16歳の少女であることも理解している。

アタシのガードから外れることへの謝罪?
ううん。違う。それだけじゃないはず。
学校にはマヤだっている。赤木博士も非常勤保健医だ。
日向さんや青葉さんも、そう、元作戦課の幹部の誰か彼かが必ず側にいる。
ミサトが海外のNERV支部に出張することも珍しくない。
だからアタシのガードから外れることへの謝罪でもない。

不安がつのる。いったい何?何を謝るの?ミサト・・・?

 

第二新東京市内某所の戦自諜報拠点。
今朝からの緊張状態が現在も続いている。

「監視衛星のトレースは?」

「現在も有効です。目標は長野市郊外の住宅地に停止中です。」

「現所在地に関するNERV関連の情報は?」

「NERV前司令官『碇ゲンドウ』の遠縁の家のはずです。」

「では、サードチルドレンと接触しているのか?」

「NERV諜報部にも動きがあるようです。周囲に3チーム確認しました。」

「近隣に当方のエージェントは?」

「すでに4チーム展開済みです」

「・・・なぜ今になって・・・2年も動きが無かったはずだが・・・」

「ダークアイより入電。」

「報告しろ」

「付近の山林に不振な輸送車両を複数確認。
小火器の反応有り。」

「なんだと?まさか・・・サードチルドレン奪取が目的か?
エヴァが無ければ役立たずのガキじゃないか

「ダークアイおよびホークアイに指示をだせ。
小火器で武装した集団を第一級敵対集団と認定。
監視を続行。別命あるまで待機。

「日本政府と特務機関NERVに打診。
NERVに対し協力の用意があることを提案する。」

「了解。打診いたします。」

 

時は少しさかのぼり日曜正午。
NERV高官から直接命令(ほとんど脅迫)を受けた長野県某市の各政府機関とシンジの担当弁護士は、必死になって書類を整備し諸手続きを終えようとしていた。
それを満足そうに眺めている制服姿がりりしい美女。もちろんミサトである。
朝からルノーをかっ飛ばしたミサトは、途中パトカーを3台ちぎり、追走する白バイ2台を引き連れてシンジの住む街へやってきた。
市役所の前に乗り付け、怒気をはらんで近づいてくる警察官に対し、「特務機関NERV作戦本部長、葛城一佐です。任務ご苦労様。」とあでやかに微笑んだ。
おもわず硬直する警察官。NERVの高官中の高官。ナンバー3、いや2か?
自分達に手が出せるような存在ではない。

ミサトは固まったまま動けない警察官達をその場に残し、なにごとかと建物から飛び出してきた当直市職員に向かって高らかに宣言した。

「NERV作戦本部長、葛城一佐です。
特務権限において、大至急、当市市長をはじめ各官公庁代表者を招集します。
期限は1時間以内。さぁ、すぐにかかりなさい。」

真っ青になった職員が、必死に連絡を取り、ミサトが要求した人材が市役所会議室に駆けつけるまで42分がかかった。

 

鈴木が市役所の会議室に訪れたのは初めてではない。
だが、突然、面識の無い法務局幹部から電話で緊急の要件と呼び出されて市役所に駆けつけてみると、市のお歴歴が一同に会しているではないか。
場違いである。なぜ自分のような一介の市の嘱託弁護士が、このような場所へ呼び出されるのだろう?

「これで関係者が全員揃いましたね。」

その時鈴木は始めて自分以外にこの場所に、自分とは別の意味でそぐわない人物が同席していることに気がついた。
アイボリーの軍服のような制服に身をつつんだ美女である。
この美しい女性はいったい誰だろう。

「改めて自己紹介させていただきます。
わたしは特務機関NERV、作戦本部長葛城一佐です。
本日は日曜日でありますが、緊急を要する懸案を処理するため、皆さんを招集させていただきました。
早速懸案の対処を開始したいと思いますが、よろしいですね?」

口調は柔らかいがその口調とは裏腹に、強い意志が込められた言葉であった。
招集された誰もが怪訝そうに顔を見合わせている。
鈴木は自分だけが蚊帳の外と考えていたことが間違いであることに気付いた。
特務機関NERV。その名称以外、ほとんどベールに包まれた存在。
しかし日本に本部を持ちながらも日本政府ではなく国連直属の組織として、治外法権と政府すら従わせる特務権限を持つ組織。
先のサードインパクトと呼ばれる空白の日の真実を世界に知らしめ、以後の世界をリードしているといわれる強大な組織。
そのNERVがここで何をしようと言うのか・・・

自分の発言に対し異を唱えるものがいないことを確認したミサトは、居並ぶ市高官達と鈴木の顔を見渡し、その本題に入った。

「これより以後、およびあなたがたを招集した事実すべてに対し、守秘義務を追うことを改めて宣告いたします。」

宣告・・・?ざわめきが室内を満たす。

「お静かに!これはお願いでも要請でもありません。命令です。」

静寂が室内を満たし直した。
それを確認したミサトは満足したように言葉を続ける。

「ただいまを持って、現在当市に籍を置く碇シンジ16歳に関するすべての拘束条件を解除することを宣告します。
よってすべての義務は以後碇シンジには適用されません。
現時点で彼に要求している全ての請求を取り下げなさい。
また彼の行動を制限する全ての案件に適切に対処しなさい。
私の要求は以上です。」

室内のほとんどの人間にとって、その言葉の意味は判らなかったであろうが、ただ一人鈴木にとっては明白なことを示していた。
先だってから彼が担当している少年。碇シンジという少年に関する全ての請求制限が解除される?それは何を意味するか?
そう。先日彼と話したときに自分が言った言葉。
相続税を支払わなければ、君はこの家も土地も何も相続することはできない。
未成年者であるから後見人か保護者を見つけない限り、君の名義であるかなり高額の資産も利用できない。よって、君は法的年齢に達するまで市の斡旋する施設に入居し、その間君の資産は市によって管理されることになる。
少年の資産は膨大なものであった。なぜこんな身寄りも無い少年が、このような巨大な資産を持っているのか。疑問は残るがそんなことはどうでも良かった。
肝心なのは自分がこれから2年間にわたってその資産を管理運用できる権益をえられたこと。それが重要なのだ。2年あればかなりの運用ができる。
少年の資産を国債運用するだけで、だまって自分の年収の数倍の利益をもたらしてくれるはずであった。
なぜ、ここにNERVが出てくるのだ?せっかく捕まえたチャンスだったのに。

その時、鈴木はNERV作戦本部長と名乗った女性が自分を注視していることに気がついた。

「鈴木弁護士ですね。先に宣告したとおり、貴方が碇シンジの処遇に対して行った全て手続きを即時解除しなさい。」

「・・・ど、どうして・・・なぜNERVが・・・?」

知らず知らずのうちに胸のうちの疑問が口をついてこぼれ出していった。

ミサトは第三新東京市を出る時点で、諜報部に対し現在のシンジを取り巻く環境についての徹底調査を命じていた。
当然NERVを離れたとはいえシンジはエヴァの元エースパイロットである。
最重要監視対象であることに変りはない。組織的直接行動以外に対して諜報部が関与することは無かったが、碇シンジを取り巻く環境には常に注意がはらわれ監視の対象となっていた。
ミサトは鈴木の存在を知っていた。その思惑もほぼ正確に把握していた。
それはミサトの怒りを爆発させるのに充分なものであった。

「碇シンジ。16歳。特務機関NERVにおけるサードチルドレン。
エヴァンゲリオン初号機パイロット。理由はこれだけで充分です。」

それは爆弾発言であった。
そして、鈴木は自分の命運が尽きたことを悟った。

ミサトが意気揚々と市役所を引き上げたのは正午をほぼ5分過ぎた頃だった。

「う~ん。予定より1時間ぐらい早く終わったわね。
ちょっち約束の時間より早いけど、早くシンちゃんに会いたいし、遅れるよりよっぽどマシよね。
シンちゃ~~ん、今いくわよ~~~ん。」

能天気な地を丸出しにして立ち去るミサトであったが、市役所の会議室では市のお歴歴ににらまれて油汗を流す鈴木弁護士の姿があった。悪は滅びるのだ。

 

どこにでもありそうな木造の一軒家。
こざっぱりと整えられた前庭にテラスがあり、持ち主の趣味がうかがわれる。
白を基調としたひっそりとした清潔感の漂うデザインが美しい。
ルノーを乗り付けたミサトは、満面の笑みを浮かべながらインターホンのボタンを押した。

ぴんぽ~ん・・・

『はぁぁ~~い。今いきま~す。』

トタトタと足音が近づいてきて、下履きを履く音が聞こえる。
カシャンッと音がしてロックが外れる。
玄関のとびらがゆっくりと開かれて・・・我慢しきれず潤んだミサトの目前に、成長したシンジの逞しい身体と変らぬ笑顔が現れた。

「えっ?ミ、ミサトさん・・・!?」

「シンジ君・・・」

手にした書類が滑り落ちる。
思わず駆け寄り抱き着くミサト。涙が溢れ出して止まらない。
もう会えないかと思った。会うことは許されないかと思った。
でも・・・会えた。大切なわたしの家族。大切なわたしの弟。

2年前はミサトの方が身長が高かったのに、今ではシンジの首筋に頭を埋めてしまっている。大きくなった。成長したんだ・・・シンジ君・・・。

ミサトさん。こんなに小さかったっけ・・・
おずおずと腕を回すシンジ。流れた時の重さを腕の中で泣くミサトの姿に感じとることができる。こんなに僕を思ってくれていたんだ・・・ミサトさん・・・
いつも自分勝手でミサトさんに迷惑ばかりかけていたのに。
いまも家族として僕を受け止めてくれている。再会を喜んでくれている。

「ごめんね。シンジくん。本当は笑顔で挨拶したかったんだけど。」

ひとしきり泣いてすっきりしたミサトがあらためて笑顔で挨拶する。
シンジも知らぬうちに泣いてしまっていたようだ。
あわせて目をこすって涙を拭い取る。

「いいえ。いいんです。こうしてミサトさんと会えて、本当に嬉しいんです。
僕も笑顔で会おうと思ってたんですけど、やっぱり泣いちゃいましたね。」

そういって微笑む笑顔は、ミサトの記憶のままの少年の笑顔であった。
失われた家族の時間を取り戻せたような気がしてミサトは再び目が潤んだことを自覚した。

「さ、さぁ、どうぞ、ミサトさん。」

シンジにいざなわれてミサトは白い家の中に招き入れられた。

 

「約束の時間より早かったんで、全然ミサトさんだとは思いませんでした。」

リビングのソファに向かい合って座る二人。
先ほどのことを思い出し、ちょっと照れながら言うシンジ。

「実はね、先に例の弁護士さんとかに会って色々お願いしてきたのよ。」

「あ、そうだったんですか・・・あの、何とかなりそうですか?」

「うん。思ったより簡単みたいよ。」

ミサトが来るというので、お気に入りの紅茶を買って準備してあった。
紅茶を用意して並べ終わったところで、くすくす笑いながらミサトが言った。

「結局、シンジくんに会う前に、全部終わっちゃったのよ。手続き。」

「はっ?」

思いっきり間抜けな顔をするシンジ。

「そ。全部お終い。もうシンジくんは自由よ。な~んの心配もいらないわ。」

「・・・いったいどうやって?」

「細かいことはいいじゃない。ちゃーんと手続きしておいたから。
この家の相続も、後見人の件も、面倒なことぜーーーーんぶ終わってるわ。」

「ひょっとしなくても職権乱用しましたね。」

ジト目で睨むシンジの視線をかわすミサト。

「ほんの・・・ちょっちねぇ」

思いっきり嘘である。それはシンジにもすぐ判った。
だが、ミサトの好意は嬉しかった。
何があったか、少しだけ想像できたが、まぁあの気に入らない弁護士のところで騒ぎ立てて処理してくれたのだろうと思うと、やはり気分が良かった。
事実はシンジの予想をはるかに上回るのであるが知らぬが仏である。