「飲み物は行き渡りました?」
「大丈夫よん♪・・・・・・・・ぷっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「・・・・ってミサトぉ!!乾杯の前に飲んでどーすンのよ!!」
「べっつにいいじゃなぁい・・・新しいの開けるダケだしぃ♪」
「どーでもエーから早よしよや・・・・拷問やで、ホンマ」
「コラ、鈴原!ツマミ食いしちゃダメでしょ!!」
「綾波はオレンジジュースでいいかな?」
「それでいいわ」
「よーし、準備OK!
じゃシンジ、乾杯の音頭はお前な」
「え?」
ケンスケの一言で全員の視線が集まり、当然の如く当惑するシンジ。
「どうして僕が・・・・」
「当たり前やろ?センセがやらんで誰がやるっちゅーねん?」
「いーからいーから、ホラ、シンちゃん!」
「えっと、それじゃ・・・・・・
ミサトさんの昇進祝いと・・・・あ、だからといってもお酒は控えてくださいね?
それと・・・・アスカ、仲良くやっていこうね。
乾杯!」
「「「「「「かんぱぁ~~い!」」」」」」「乾杯・・・」「クェェ!」
其ノ参:ウタゲノアト(中)
というわけで始まったアスカ歓迎会兼ミサト昇進祝い。
左回りにミサト、ペンペン、トウジ、ヒカリ、アスカ、シンジ、レイ、ケンスケという順序。
テーブルの上には、シンジ&ヒカリの鉄人タッグお手製の料理がこれでもかと言わんばかりに並ぶ。
通常ならば空き缶を大量生産 となるミサトだが、開始5分にしてまだ2缶目。
さすがに今日だけは遅めのペース。
やはりシンジの『今日飲みすぎたら禁酒二週間』が効いているらしい。
トウジは言わずもがな。
『食欲大魔王』の呼び名は伊達ではない。
ヒカリは甲斐甲斐しくトウジの世話。
「あれウマソーやな」「はい、鈴原」「あ、あれもまだ食うとらん!」「はい」「イインチョ・・・・み・・・・・・水ぅ!」「・・・もう、ゆっくり食べなさいよ」
勝手にやっててくれ。
ケンスケは時折羨ましそうな視線を襟章に向けつつ、ミサトと談笑。
ペンペンも今日は豪華な食事だ。
さて、残る3人だが。
「えっと・・・・これが豆腐の中華風炒め物で、こっちがイカのフリッター。肉じゃないから大丈夫だよね?」
「ありがとう、碇君」
「あーーーー!!!レイばっかりズルいぃぃぃ!!!
シンジぃ、アタシにも取ってよぉ!!」
「わかってるよ、アスカ・・・・・・はい、どうぞ」
「アリガト♪」
「これ、美味しい・・・・」
「あ、それ?白身魚をすり潰してから蒸したものなんだ。
蒲鉾みたいな感じかな?」
「シンジ全然食べてないじゃない・・・・・・・ハイ、あ~ん♪」
「は・・・・恥ずかしいよ・・・・・」
「い~じゃないのぉ♪ホラぁ♪」
「アスカ・・・・・・碇君嫌がってるわ」
「ちょっとぉ、レイ!コレは嫌がってるんじゃなくて恥ずかしがってるダケよ!!」
「・・・・・変わらないでしょ?」
「むー!全然違ぁう!!」
「ちょ・・・・・二人ともやめなよ」
「もしかしてレイ、羨ましいの?」
「・・・・・何故?」
「だーかーらー、アタシがシンジとこーしてるトコよ!」
「・・・・良くわからない」
「・・そうだ!レイもやってみればいーのよ!
こーしてね、シンジの口のトコに箸を持ってって・・・・・・ハイ、あ~~~ん♪」
「・・・・・アスカぁ(^^;;;;」
「ホラぁ!アンタもさっさと食べる!
でなきゃレイに教えらんないでしょォ?」
「・・・・・・・・・・・(ぱく)」
「ね?こうすればいーのよ♪」
「・・・・・・・何が楽しいの?」
「んもう・・・・・・・・(だからぁ、同じ箸をシンジと自分が使うコトになるのよ?間接キスしてるのと一緒!)」
「(・・・・・・・キス・・・・・・相手の唇・頬・手などに唇を触れて吸い、愛情・尊敬を表すこと・・・・くちづけ・・・・・・)」
頬ほんのり桜色×2
「(でしょでしょ?それにぃ・・・・・・なんかこう・・・・・胸がキュンってなるのよ・・・・・やってみなさいよ、ホラぁ♪)」
「・・・・・(こっくり)」
「・・・・・・・・・・(何話してるんだろ?)」
「・・・・・はい、あーん・・・・・・(にこり)」
「・・・・・え・・・・・・・・・・・」
「・・・・・あーん・・・・・・・(じーーーっ)」
「・・・・・・・・・・・・(ぱくり)」
真っ赤×2
「・・・・(どうだった?)」
「・・・・(良くわからない・・・・・・・けど、とても心地良い・・・・・)」
「・・・・(でしょでしょ?)」
「・・・・(こくり)」
「「「「じーーーーーーーーーーーーーーーーっ・・・・・・・・」」」」
「「「あ・・・・・」」」
真っ赤×3
「仲がイイわねぇ・・・・・・やっぱ若いからかしらぁ?(にやり)」
「・・・・え~な~・・・・・両手に花やんかぁ・・・・・・」
「・・・・トウジ・・・・・・シンジの事は言えないよ、お前・・・・・・・・・(泣)」
「何ぃ?ワイはイインチョとそんな仲や・・・・・て・・・・・・・」
「え、あ、ちょっと・・・・ヤだ・・・・・・・」
耳まで真っ赤×2
「なんで俺だけいっつもいっつも・・・・・・・・(泣)」
ピンポーン。
「・・・あ、加持さん達来たみたい」
「よっ・・・・勝手に上がらせてもらったぞ。
盛り上がってるかい?」
加持、リツコ、マヤ登場。
「うわぁ、綺麗な花束!」
「こっちがアスカで、こっちが葛城だっけ、リッちゃん?」
「自分で選んでおいて何言ってるんだか・・・・・・」
「ありがとう、加持さん♪」
「・・・・・どうせならビールにしてくれればいいのにぃ・・・・・・でもま、アリガトね♪」
「・・・・・ミサト・・・・・・・・」
「シンジ君、アスカちゃん、葛城さん、今日はお招き頂きありがとうございます」
「あ、いーのいーの!お堅い挨拶は抜きにして、もう一回乾杯しよ♪」
「みなさんビールでいいんですか?」
「あ、俺は車だからウーロン茶にしてもらえるかな」
「じゃぁみんな、グラス持って!」
「リッちゃん、音頭取りなよ」
「そうね・・・・・じゃ、アスカ、これから宜しく・・・・・・ミサト、シンジ君達に迷惑掛けてちゃダメよ?
乾杯!」
「「「「「「「「「「かんぱ~~い!!」」」」」」」」」」
「もう・・・・何てコトいうのよアンタはぁ!」
「あら・・・・事実を言っただけの事じゃない?反論できて?」
「・・・・・う・・・・・・・・いえ・・・・・・・・」
「君達がシンジ君の友達だね?
俺は加持リョウジっていうんだ。みんなと仲良くやってくれな」
「あ、僕は相田ケンスケです」
「ワイは鈴原トウジ言います、よろしゅう」
「洞木ヒカリです、よろしくお願いします」
「あら、あなた達・・・・」
「・・・あ!先日は大変迷惑をお掛けしましたぁっ!」
「えろうすんまへんでしたな・・・」
「・・・敬礼なんてする事はないわ・・・・今後あんな事がないようにね?」
「「ハイっ!!」」
「あなた達がこの前の?私、伊吹マヤって言います、よろしくね」
「NERVっちゅ-のは別嬪さん揃いなんやなぁ・・・イテテテテテ!!
イインチョ?何すんねん!!」
「・・・・・・・・・フンっだ・・・・」
「さて・・と、シンジ君の腕前を拝見させてもらうわね」
「私も楽しみにしてたんですよぉ~~、噂には聞いてましたから」
「どれ・・・・・」
ぱくり
「嘘・・・・・」
「え・・・・・」
「ふむ・・・・」
「・・・どうですか?」
「「「美味しい!」」」
「良かったあ・・・」
「いやぁ、驚いたよ。
これなら店を開いてもやっていけるんじゃないか?」
「そうね・・・ミサトの料理とは天と地・・・・・いえ、比較するのも馬鹿げてるわね」
「そんな、誉めすぎですよ。
それに、今日は委員長も手伝ってくれたから・・・」
「私はサラダとか作っただけよ・・・・」
「ねぇシンジ君、今度レシピ教えてくれるかな?」
「構いませんけど、マヤさんも自炊してるんですか?」
「実はあまり・・・・・ね。
何せ帰宅する時間が不定期でしょ?
一人暮しだし・・・・・でも、たまには自分で作っているの」
「そうですか・・・」
「あ、葛城・・・そんなに飲んで大丈夫なのか?」
「ナ~~~ニ言ってんのよぉ、ビールなんて水よ、水♪」
「あら・・・・そういう加持君は全然飲んでないじゃない?」
「・・・・リッちゃんもか・・・・・・・。
俺は車で来てるんだから、飲めないって言ったろう?」
「そう言えばそうだったかしら?」
「まーいーわ。
加持なんてほっといて、ホラ、リツコ!」
「ハイハイ・・・・」
そんなこんなで2時間経過。
皿の中身もほぼなくなり、くつろぎモードに入ろうとしていたまさにその時。
突然、レイがシンジにしなだれかかった。
「あ・・・・・あああああやなみぃ?」
「あーーーーーーーーー!!!
ちょっとレイぃ!!アンタ何ドサクサに紛れてシンジの肩に寄っかかってンのよぉ!!!」
「・・・・・・・・」
「あら・・・ちょっとレイ?アンタ顔が真っ赤じゃない?」
「綾波・・・大丈夫?」
「ごめんなさい・・・・なんだかフワフワしてるの・・・・・」
「何飲んでたのさ・・・・・・・あ!これワインじゃないか!」
「・・・・・アタシじゃないわよ」
「「「「「「じーーーーーっ・・・」」」」」」
「アスカぁ・・・・・それって『私がやりました』って言うのと同じだよ・・・・」
「むーー・・・・イイじゃないのよぉ、ワインくらい!!」
「なんか見慣れない瓶があると思ったら・・・えっと・・・なんて読むの、これ?」
「シュタインベルガー・・・ドイツワインでね、とてもフルーティなの♪」
「えらいウマいジュースや思てたら、ワインやったんか・・・・」
「アスカ・・・・あなた達はまだ未成年なのよ?
アルコールの摂取は法的に認められていないわ」
「いーじゃない・・・ワインくらい・・・・」
「そんな事言ってる場合じゃないだろ・・・・・とりあえず横にさせなきゃ」
「ミサトの部屋は夢の島だし・・・シンジのベッドは使わせたくないし・・・アタシのトコしかないわね。
レイ、立てる?」
「(ふるふる)」
「・・・仕方ない、か。
綾波、つかまって・・・・よいしょっと」
「「「「「「「「おおおおおお~~~~」」」」」」」」
「な・・・・シンジっ!何で抱きかかえなきゃなんないのよっ!!」
「誰のせいだと思ってるのさ、まったく・・・・・
ほらアスカ、着いてきてよ」
「・・・むーーー・・・・・・」
シンジ、アスカ、レイ退場。
「さぁすがシンちゃん、おっとこのこねぇ~~~♪」
「ははっ、羨ましいのか、葛城?」
「べっつにぃ?だってシンちゃんだったら私でもきっと面倒みてくれるだろうし♪」
「・・・・・どっちが保護者なんだか、まったく・・・・・」
「先輩・・・・レイちゃんも随分感じが変わりましたね?」
「そうね・・・・あんなレイを見るのは初めてだわ」
「・・・やっぱりシンジ君とアスカちゃんが側にいるからでしょうね・・・・」
「・・・・・」
「なんやセンセも男らしゅうなったのぉ・・・」
「うん・・・何だか綾波さんが羨ましいな・・・」
「い・・・イインチョがあんなんなったら、ワイが介抱・・・したるさかい・・・・」
「何よいきなり・・・・・・でもアリガト・・・」
真っ赤×2
「どうせオレは・・・・・・(泣)」
宴は続く。
辛い毎日を吹き飛ばすかのように。
宴は続く。
楽しい思い出を心に刻み付けるかのように。
やがて宴の時は終わりを告げる。
そして、新たな戦いの時が始まる。