年代ものの赤ワインが、グラスに注がれている。
だが、誰も手を付けずに黙したままの加持を見ていた。
室井ケンジ、高榎ミチタカ、伊崎ユウタ。いずれもその道にかけてはスペシャリストであったし、
もっとも信頼できる、味方となりる人材だ。
だが、加持は悩んでいた。頼りになる人材は国家にとっても重要な人材なのである。
室井は、警察界の縦割り構造を変革できる人間だと言われている。
高榎は、財務省、事務次官の候補に上げられている。
伊崎は、日本だけでなく世界からも注目されている医者である。風邪と癌の特効薬を見つけるのは彼だとも考えられている。
そんな人材を巻き込んでしまって、もし失ってしまったら・・・。
それを考えると、彼の下す決断は、日本の運命をも左右しかねないものである。
「ライバル、出現」
「特務機関ネルフは、上位組織・ゼーレのもと人類補完計画の遂行を目的として組織されたものだ」
「ゼーレ?補完計画?」
「そうだ。人類補完計画というのは、観念的なんだが、人類の魂をすべて一つにするという計画だ」
「非科学的な話だな。科学の申し子と言われた赤木親子が関わった計画の割には」
高榎は実に冷静な口振りで言う。
加持は薄く笑うと、ジャケットの内ポケットから一枚のディスクを取り出した。
「これにすべてが書かれている。高榎、携帯端末はあるか?」
「もちろんだ」
高榎はアタッシュケースから、端末を取り出しディスクを読み出した。三人が画面を食い入る様に、見つめる。加持はそれが終わるのを静かに待った。
もう後戻りはできない、そう思いながら・・・。
「なるほどな。碇さんが頑なに漏らさなかった裏には、こんなことがあったのか」
室井は腕を組みながら、画面から目を離した。
「こんなものが流れたら、国連事務総長の首どこじゃ済まないですね」
穏やかな表情で、伊崎が言う。
「面子どころの問題じゃないな。老獪な政治家どもが考えそうなことだ」
高榎の悪態は今に始まったことではない。彼はどうも、老政治家達の自己中心的な動きを嫌悪する節がある。そこを慕って、若手のナショナリスト達が彼を支持するのだが。
「碇助役は、彼らの生け贄にされた訳さ。高榎、あの時期、ヤケに各国からの使者や親書が多かった、という話を聞いていないか」
「聞いている。外務の連中がそんなことを漏らしていたな。俺は中身を見て判断しろ、とは支持したが」
今の官界、彼の調整力と判断力無くして語れない。
「まだそれならいい。大使館連中は、直接警視・警察にアプローチして来ていた。俺にカネを積んだ組織もあった」
右手を強く握りしめる室井。彼も高榎同様、汚いカネにまみれた官界を正そうとしている人間の一人だ。
「ゼーレの息のかかった組織だな。潰しても潰しても出てくる」
「加持、それで俺達に何をさせたい?」
高榎が言う。
「基本的には今の姿勢を保ってほしい。そして、悪いが各界からゼーレやそこに繋がる情報を集めてほしい。秘密裏に」
加持の目が鋭くなる。それが3人に覚悟を促すものであるのは、否めない。
「言われるまでもない。腐りきった国連や日本政府に好き勝手やらせん」
「そうだ。私も協力する」
「やらせてもらいますよ、加持先輩」
「ありがとう、感謝する」
加持は本当に心から、この仲間達に感謝した。
葛城ミサトは、仕事が終わると足早にコンフォート17へ急いだ。
そして、自分の部屋の電気が消えていることを確認すると、がっくりと肩を落とした。
「だめだったの?・・・シンジ君」
そう呟きながら、ドアを開いた。何か死んだような室内に、ミサトは頭を抱えた。
「相当酷いわね、これは」
リビングの電気を付けて、ミサトは加持の話したことを思いだす。
『多分、アスカに踏み込めないだろうな、シンジ君は。一年前のあのことが彼を縛り付けている。逃げることをやめた彼は、今辛い現実と向かい合い戦っている最中だからな。あるいは、シンジ君の方から別れを
切り出す結果になるかもしれない。悪いがミサト、その時はフォローしてやってくれ。
確かにシンジ君もアスカを好きだ』
「フォローって言ってもねぇ。ちょっち厳しいわよ・・・加持君」
頭を乱暴に掻いて、苛立ちを何とかしようとする。ミサトもシンジのすべてを聞いた訳ではない。何があったのかだけは知っている。
多分、加持の予想通りシンジはアスカに別れを切り出したのだろう。アスカが部屋を出た形跡が全く見受けられないのだから。
それは二人にとって最良の結果ではない。むしろ最悪と言ってもいい。シンジが一人で過去を克服できるのかも不安だ。事件が事件なだけに。それなら誰かのサポートがいる。そんな時の恋人ではないだろうか。
ミサトは少々偏った理論を組み立てて、ある試みを思いついた。もし成功すれば、彼女の危惧は一度に取り除かれることになるだろう。
意を決し、ミサトはアスカの部屋の襖を軽く叩いた。
「アスカ。入るわよ」
返事はなかった。だが、躊躇している余裕はない。最悪の事態を生まないために。襖を開く。
相変わらず、彼女の部屋の照明は落とされたままだ。
だが、彼女はベッドにいなかった。机に伏せて、壁の一点を見つめている。
アスカが大事にしている写真立ても伏せられていた。
「お帰り、ミサト」
声に覇気がなく、抑揚もない。まるで、彼女が一番嫌った人形のようだ。出会った頃、あれほど嫌っていたあの感情の欠片もない、綾波レイのような。
「アスカ、何か食べた?」
「食べてない、食べる気しないもん」
「そんなんだから、シンちゃんに嫌われちゃうんじゃないの?」
これはもう賭ね、ミサトは喉の奥でそう呟く。失敗すればこれが彼女へのとどめになるだろう。
「そう・・・ミサトも知ってるの?」
「ええ。聞いたわシンちゃんに。・・・アメリカに好きな人ができたんですってね」
アスカの肩が一度だけピクリと動いた。
「・・・そうよ」
「それで引き下がれるほど、アスカのシンちゃんへの想いって安かったの。・・・この三年間、応援して来たの、無駄だったようね」
言いながら、ミサトは手が汗ばむのを感じた。
そのミサトの言葉がスイッチになったかのように、アスカが突然立ち上がり、ミサトに掴みかかからん勢いで叫んだ。
「か、勝手なこと言わないでよっ!アタシは真剣にシンジのこと想ってるわ!安ぽっくなんかないわ!!
アンタに何がわかるのよ!」
くすんだ瞳に光が戻った。いつものアスカの瞳だ。だが、目の下が腫れている。だいぶ泣きはらしたようだ。
「だったらなんでいつまで経っても部屋から出ようとしないの?」
ミサトは姉のような母のような、慈愛に満ちた笑顔で、囁くように言った。
「それは・・・」
「いい?アスカ。それだけシンジ君を想っているなら、アスカの魅力でシンジ君を夢中にさせちゃいなさい」
「えっ?!」
アスカの頬に赤みがさした。
「驚くことじゃないでしょ?恋ってそういうものよ」
ウィンクしてミサトはアスカの両肩にそっと手を置く。ミサトの体温がアスカにとても暖かかった。
・・・・・・凄く安心する。ママの暖かさもこんなカンジなのかな
「元気・・・出たみたいね」
アスカは小さく頷く。ばつが悪そうな表情を浮かべながら。
「じゃ、顔洗ってきなさい。その間にピザでも取ってあげるから」
「うん!」
走ってバスルームに行こうとした。だが、廊下に出た所でアスカは足を止める。
「ミサト!」
「何?」
「アリガト」
アスカの笑顔をにミサトはほっと一息ついた。
バスルームに入ったアスカは、まず鏡を見た。
「酷い顔・・・」
そう呟く。だが、数時間前より少しはマシになっているはずだ。 そう自分に言い聞かせながら、アスカは洗面台に溜めた水を両手ですくい上げて顔を洗った。水の冷たさがやけに新鮮に感じられた。
翌日。真っ青な空が第三新東京市の上に広がった。
「ミサト!早く起きてご飯食べてよ!いつまで経っても洗い物が片付かないじゃない!」
葛城家にはここ数日、聞こえることがなかった元気な声が、前にも増して勢いを持って響きわたってた。
「もうちょっち静かにできないの、アスカ。久しぶりに飲み過ぎて、頭が・・・」
こちらも数日ぶりに心行くまでエビチュを堪能したミサト。どうやら軽度の二日酔いのようである。
「今日職員会議でしょ、サッサと着替えないとまた教頭のお説教なんじゃない?」
アスカは3つの弁当箱の蓋を閉じながら、身体を引きずるようにして出てきたミサトに、目もくれずに言う。アスカの朝は忙しいのだ。
「何はともあれ、アスカは復活したみたいね」
ミサトが家を出たあと、アスカは洗い物を済ませ、洗濯ができる準備をして戸締まりを確認して家を出るのだが、今日はミサトのおかげで遅れ気味だ。
「全く、ミサトの所為で遅刻しそうじゃないのぉ。今日からまたしばらく禁酒ね!」
第壱高等学校はもう目の前だ。
シンジはアスカとどんな顔をして会えばいいのか、深く悩んでいた。自分の中のアスカへの想いは、別れを告げてしまった今でも消えることなく、シンジの心で大きな領域を占めている。
あれこれ悩んだシンジは、クールな態度で接しようと決めた。
その時である。
ガラッ
勢い良く扉が開いて、こちらを睨みつける蒼い瞳が現れた。
「惣流や・・・」
トウジがクラス一同の疑問符飛び交う沈黙を破った。
アスカはズカズカと二-壱の教室に入った。そしてシンジの目の前に立ちはだかった。
「碇シンジッ!!」
「は、はい」
シンジは完全に気力負けした。まさに鬼気迫るものがあった。
「いい?アタシはあんなことで引き下がるつもりわないわ。ウジウジするのもやめる。どうかしてたわ。
今日からいつものアタシに戻る。
シンジ、アンタがアタシより好きな人ができたって言うなら、
アタシは、
アンタを、
アタシの魅力でそのオンナよりアタシを好きにならせてやるわっ!
覚悟しなさい!!」
人差し指をシンジの鼻に突きつける。シンジは、目をしばたかせながらアスカを見た。
彼女の顔は真っ赤になっている。
「ま・まずはこの弁当食べなさいよ!アタシが作ったんだから、残すんじゃないわよ」
「う、うん」
断れなかった。理由はシンジにも分からなかったが、何故か受け取らなければいけないような気がした。
・・・・・・アスカにはかなわないや
ぎこちなくシンジは笑みを浮かべる。その時だけ彼は胸のつかえが消えたような気がした。
「惣流の完全復活やな」
「いや、パワーアップって言った方がいいんじゃないか?」
「そうね。相田君の言う通りよ。アスカ、何だか輝いて見えるもの」
「そうやな、あんな惣流見るの久しぶりやもんな」
その日、華が戻った二-壱には笑顔が溢れていた。祭りが終わったような静けさを、シンジは一人で満喫した。
「久しぶりだな、こんなに楽しいのは」
あの日以来、シンジは心から笑ったなどという記憶はない。
常に苦しめられていた。
紅い瞳をした少女によく似た彼女を深く傷つけてから、シンジは消えない烙印のような罪悪感で、彼女の
申し入れを断ることができなかった。
帰国の前日。
彼女はこう言った。
『シンは・・・逃げてしまうのね』
呪いのような一言だった。
「逃げる」。シンジにとってその一言は、縛り付けるに十分だった。
そんなことを回想しながら、シンジは誰もいない教室をあとにした。
壱高からのびる坂道を、シンジはゆっくりと下っていく。
・・・・・・僕は逃げているのだろうか。確かに、アメリカであったことから逃げようとしているのかも知れない。でもアスカの想いを受け止めてないのも、結局はアスカから逃げてるってことじゃないのかな。
だけど、アスカにこんな思いを共有してほしくない。僕一人で十分だよ。でも・・・今のアスカを僕には
到底止められないし・・・。
苦しみや悲しみを分かち合い、支え合うことができること。それが真の信頼関係だということを、シンジはまだ分かっていなかった。
その時、シンジは近づいて来る微妙な空気の変化に気が付いた。
・・・・・いかつい男が3人・・・。
まわりに目配せして、誰もいないこととある程度の広さがあることを確認すると、足を止めて振り返った。
虚をつかれたかのように、3人の男も立ち止まった。
「何か用ですか」
シンジは既に、この3人を敵として認識した。振り返った時、彼らから殺気が流れてきた。
「シンジ・イカリだな?」
真ん中の男が、口を開く。
「そうですけど」
シンジは肩にかけていたスポーツバッグを下ろした。
「悪いが消えてもらうぞ」
的中だ。相手は体勢を低くしてシンジとの距離を詰めた。
・・・・・プロじゃないのか
左足を後ろに引き、目の前に来た一人の腕を取って背負った。相手はシンジの動きが見えていなかったようだ。
・・・・・・まず一人
後ろから羽交い締めしようとした次の男の鳩尾に肘を入れる。
「ぐほっ」
腹の底から息が抜けるような音を立てて、気絶してしまった。
・・・・・・何だよ、ほとんど素人じゃないか
シンジは残った一人に睨みをきかせた。その視線は、エヴァに乗っていた頃よりも鋭い猛獣の如き目つき
だった。
「ヒッ!」
踵を返して逃げ去ろうとするその男の腕を取って、押し倒し、馬乗りになった。
「誰の命令ですか?」
掴んだ腕を引っ張ってやる。
「ぐわっ!!」
「言わないと、折りますよ」
無機質な言葉を相手に投げかけた。
「い、言います!レッド・ウルフですっっ!!」
その言葉で、シンジは男の首筋を軽く叩いた。途端に男のうめきが止む。こちらも気絶したようだ。
「レッド・ウルフか・・・。やっぱり僕は縛り付けられているんだ。・・・加持さんにも報告しないとな」
何事もなかったかのようにスポーツバッグを担いでその場を去った。
「っ、失敗か・・・」
路地からトレンチコートの男が姿を表した。そして吹き抜ける風のように姿を消した。
シンジはカードキーを取り出して、自宅の扉を開けた。
「ただいまー・・・といっても誰もいないか」
「お帰りー。シンジ」
台所に入った所で、彼はその女性を発見した。琥珀色の髪を一つにまとめて、楽しそうに料理をする
女性。言うまでもない、惣流・アスカ・ラングレーだ。
「ア・ア・ア・どどどどどどど・ここここっここここ」
「何どもってんのよ。どうしてアタシがここに居るか聞きたいの?」
振り返った彼女はドキッとするほどの美しい笑顔で微笑んだ。そんな笑顔にシンジは何も言えなくなり、
ただ首を縦に降り続けるしかできなかった。
「リツコの所に行って合い鍵もらって来たのよ。あ、そしたらね、リツコ、じゃなくてお義母様とお義父様が
この鍵、自由に使っていいって。
もうすぐオムライスができるから着替えてきなさいよ」
これは文字で見ないと分からない、アスカの真意が含まれている。
・・・・・アスカがいることに気が付かないなんて、よっぽど注意散漫になっていたんだな
伊達にシンジも米軍特殊部隊の訓練を受けて来た訳ではない。空気の微妙な流れや人の気配などを、
瞬時に読みとることができる。
それが、全く動作しなかったのだ。それほどに「レッド・ウルフ」とはシンジを気にかけさせる存在と言える。
「何ぼーっとつたってんの?早く」
アスカはこちらを見ないで言った。
「う、うん。分かった」
数分して、シンジはキッチンへ戻ると、既にそこには夕食が並べられていた。と言ってもオムライスとサラダだけだが。
「アンタ、どういう食生活してんのぉ?冷蔵庫に何も入ってないじゃないの。アメリカで料理とかしなかったの?」
テーブルに両肘をついて手の上に顎を乗せる格好で、アスカは言った。
「一人暮らししてるとさ、あんまり作る気になれないんだ。ついついコンビニの弁当とかインスタントで済ませちゃうんだ」
アスカの正面に座りながら、有らぬ方向を見ながら言った。
「そうなの。あ、食べて。結構自信作だから」
「うん。それじゃいただきます」
一口大に切って、シンジは口に運んだ。
「おいしい」
「でしょ?」
「アスカ、料理できたんだ」
「違うわよ。この3年で覚えたの。アンタが居なくなって、ミサトとアタシのどっちかが料理しなくちゃいけないのは当然でしょ?アタシも死ぬよりかは自分でする方を選ぶわ」
彼女もオムライスを口に入れた。
「そうだよね、ミサトさんの料理、あれは食べれられたものじゃないよね」
「進歩ないわよ。たまにアタシが家開けると、カップラーメンにレトルトカレー入れて食べてるもの。
・・・所でシンジ、こんな広い所で一人で住んでて淋しくないの」
「うーん、まだ引っ越してそんなに日が経ってないからあんまり実感ないけど、アメリカと違って近くにみんないるからかな、ここだとよけいに一人が辛いね」
彼は素直な思いを口にした。その姿に、アスカはスプーンを動かす手を止めた。
「そっか。やっぱり淋しいの。・・・じゃあさ、アタシがここへ引っ越してきてあげようか」
シンジはスプーンを落とす。
「えっ?!」
「加持さんも帰って来たから、ミサト、夜いないこと多くなるだろうし、アタシも結構淋しいのよねー。一人で居るの」
俯いているので、彼女の表情は伺い知れない。
「いや、でも、その僕だって一応は男・・・だし、そりゃ昔は一緒に暮らしてたけど、その・・・」
俯いていた彼女の肩が小刻みに震えた。そしてお腹を抱えて、声を上げて笑い出した。
「クククククッ。冗談よ!あわてちゃって。いつまでたってもバカシンジはバカシンジのままね」
「ひ・酷いよ!騙したな、アスカッ!」
「騙される方が悪いのよ」
じゃれあいながら、二人はいつになく楽しい刻を過ごした。
「それじゃ、今夜は帰るね」
片づけも終わって、和んだ時間を過ごし、しばらくしてアスカが言った。
「あ、送って行くよ」
「いいわよ。近いんだし」
「いや、送らせてよ」
シンジは真剣に言う。
「じゃあ・・・、お願いしようかな」
二人はコンフォート17に続く道を、一言も交わさずに並んで歩いていく。
会話もなく、葛城家の前についてしまった。
「アリガト」
「いいよ。じゃあ、明日学校で」
「シンジ!」
去ろうとしたシンジの腕をアスカが引っ張った。
「何?」
「さっきの話・・・、冗談っていうの半分は嘘なの」
「えっ」
「そそそそ、それじゃまた明日ね」
扉を開けると、アスカは顔も見せずに入ってしまった。
「アスカ・・・」
何とも言えぬ、複雑な表情でシンジは短く呟くと、足取り軽く自宅に戻っていった。
それから一週間が過ぎた。
シンジとアスカの仲は、「適度に付いて離れない」という微妙な関係にある。
アスカは毎日シンジの弁当を作り、シンジはときどきやってくるアスカの夕食を作っている。誰もがこんな日々が続いて、二人は結ばれると思っていた。だが、いたずら好きの天使か、性悪な悪魔が、そんな二人に波乱を準備していた。
新成田空港に、アメリカからの旅客機が定刻通りに着陸した。
ツアー客やビジネスマンなどに混じって、金髪で色白の少女が出てきた。
彼女は、大きなキャスター付きのケースを引きながら、空港を出た。
秋の低くなった日差しが、彼女の肌を照らした。
空を、国外へ出ていく旅客機が横切る。
「ここが、シンの故郷・・・。そしてシンの今住んでいる所ね。来たわよ、シン。あなたの側に」
少女は少しだけ笑みを浮かべて、タクシー乗り場に歩いていった。
あなたは誰?(あとがきじゃないです)
???:さて、私は誰でしょう?
作者 :うーむ・・・。 って考えている間に時間切れになって兄貴がやって来る
から・・・早乙女○美!
???:誰よ?それ?この外見で分からないの?
作者 :見た目はレイちゃんそっくりだよね。第26話の学園レイ?
でも金髪だし・・・。
???:自分で作ったキャラに責任もちなさいよ!
作者 :あ、名無しのゴンベエちゃん・・・。
???:まだ名前、決まってないの?
作者 :そ、そう凄まない、凄まない。決まってるけど、第七話まで引っ張った方が
いいと思うけど?
???:いったい、いつまで秘密にするの?そろそろ私もシンの側に行きたいんだけど。
作者 :まあまあ。次回には行けるから。それでは次回、
第七話「シンジ、悩みの向こうに」でお会いしましょう。
???:哀れな作者に、感想メールを送ってやって下さいね!
作者 :哀れってあんた・・・。