【未完】最後の奇跡_01_最後の奇跡

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<1> 終わりの、はじまり

Nerv付属病院303号室。繊細そうな容貌をした少年が、暗い表情で病室の前に立った。そして、躊躇いがちにドアをノックする。「・・・・・・アスカ、入るよ」返事が返ってこないことは百も承知だが、シンジは声をかけた。医療機器が刻む規則正しい音だけ...
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<2>Dise irae

雨のように降り注ぐ爆撃が、地底湖に沈む弐号機の周囲を揺るがす。心を閉ざしてしまった少女は、胎児のように身体を丸め、死への恐怖に怯えていた。「・・・・・・死ぬのは嫌」呟きが、漏れる。(死ぬのは怖い)(自分が自分じゃなくなるから)「死ぬのは嫌」...
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<3> 目覚めよと呼ぶ声あり

白いエヴァを完黙させるほどの凄まじい嵐は、彼女の髪一筋揺らすことはなかった。「・・・・・・碇君」少女は、光の羽を背に副わせた巨人に乗る少年へ呼びかける。「私と、ひとつに」少女は中空へ舞い上がると、巨人の胸元に溶け込む。刹那、そこから光が溢れ...
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<4> おお血潮と傷に満ちたこうべよ

シンジは、半身を起こすと、ゆっくりと辺りを見回した。黄昏時のような、赤い空。血を連想させる、何処までも続く赤い海。草一本生えていない、荒れ果てた白い大地。聞こえるのは、静かな波の音だけ。生き物の気配の感じられない、閉鎖された空間。「・・・・...
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<5> Fiat lux

『補完』は、唐突に始まり、唐突に終わった。幻を見ていたのだろうか、と誰もが思うほどに。新世紀エヴァンゲリオン・補完最後の奇跡 <5>Fiat luxゲンドウ、リツコ、ミサトは、『補完』が始まる前と、寸分違わぬ状況で対峙していた。だが、皆一様...