【完結】福音ヲ伝エシモノ

【完結】福音ヲ伝エシモノ

其ノ壱拾五:シンジ(壱)

・・・・・暖かい、や・・・・・・  ・・・・・なんだか懐かしい・・・・・ぬくもり・・・・・・   ・・・・・でも、重いなぁ・・・・・・   ・・・・・明るい・・・・・?  明るい?  光?明るさに目を慣らすように、ゆっくりと瞼を開く。カーテ...
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其ノ壱拾六:シンジ (弐)

「はぁ・・・・シンちゃんはまだ立ち直ってないだろうし、レイはレイだから・・・・・・・・なぁんか帰りづらいなぁ・・・・・・」コンフォート17マンションの駐車場。愛車・ルノーA110のドライヴァーズ・シートに身を埋めたまま、葛城ミサトはかれこれ...
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其ノ壱拾七:シンジ (参)

放課後の音楽室。度重なる戦闘により生徒の大半が疎開してしまったため、滅多に人が来る事はない。その室内に、シンジはいた。彼は調玄を終えると目を閉じ、ゆっくりと弓を構え、そっと弦に当てた。誰に聞かせるわけでもなく、ただ自分のために。感情の波に覆...
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其ノ壱拾八:オモイ、トドケ

303、と書かれたプレートそれを見詰める自分嫌な数字だ、とシンジは思うふと、自分の右手に視線が落ちる真っ白な手同年代の級友達に比べ、華奢で色白な自分の手この部屋で、汚した自分の手をベッドに眠る、彼女を自らの、手でそれは、罪忘れる事の許されぬ...
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其ノ壱拾九:ケツイ

誰ひとり、言葉を発せなかった。ゲンドウは顔の前で手を組むいつものポーズのまま、身動きしない。いつもと異なるのは、眼鏡の奥で閉じられた瞳。いつしか彼はサングラスをしなくなっていた。己の瞳を、心を・・・・・隠そうとしなくなった表われであろうか。...
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其ノ弐拾:ゼンヤ

葛城家の玄関先。夕食を一緒に食べるだけのために本部から帰宅したミサトは、任務に戻るべく家を出ようとしていた。その隣には、レイ。彼女もまた、待機命令に従いミサトと共に本部へ向かう。仕度を整えたミサトは、見送りのふたりに笑顔を見せた。「ふたりと...
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其ノ弐拾壱:キョゼツ

「シンジ君、時間だよ?」カヲルの呼び掛けに、シンジは閉じていた瞳をゆっくりと開いた。プラグスーツの手首に埋め込まれた時計から、作戦開始まで10分を切っている事を知る。「・・・・行こうか。」更衣室に備え付けられたベンチから腰を上げ、カヲルを見...
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其ノ弐拾弐:ホウコウ

母さん・・・・・・・・・・・母さんっ!・・・・・・・どうして・・・・・どうしてだよっ!どうして僕を拒むんだよ!時間がないんだ・・・・早くしなきゃ、アスカが・・・・レイがぁっ!!!・・・・・・・黙ってないでよっ!ねぇっ!!・・・・・・・僕がや...
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其ノ弐拾参:セツジョク

8年前、ドイツ。「ほら、アスカちゃん。ママね、今日あなたの大好物を作ったのよ。好き嫌いするとあそこのお姉ちゃんに笑われますよぉ。」人形に語りかけている惣流・キョウコ・ツェッペリン・・・・・・・・・・アスカの母親。その様子を部屋の外から窓越し...
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其ノ弐拾四:サイゴノシ者

君はシトで僕はヒトシトは、ヒトの敵みんながそう言っただから、殺したこの手で僕の分身の手で母さんの、手で僕には何もなかった誰も傍にいなかった誰も見てくれなかった君は僕の事を『スキ』って言ってくれたのに君は僕に『ケシテクレ』って言った残酷な一言...