【完結】福音ヲ伝エシモノ

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其ノ零:プロロヲグ

瓦礫の山静まり返った大地墓標の如き紫の巨人寄せては返す紅い波何もない世界そこに佇むのは碇シンジ惣流・アスカ・ラングレーまだ14歳の少年そして少女少年は蹲ったまま微動だにせず少女は瞑目したまま身を横たえふたりの間を分かつのは『沈黙』という名の...
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其ノ壱:ニジノムコウニ

カーテンの隙間から、朝日が漏れている。僕は自分の部屋のベッドで目を覚ました。自分の机と、横に立てかけてあるチェロ。見慣れた、天井。「・・・・・・帰ってきたんだ・・・・・・・・」僕は戻ってきた。全てをやり直すために。      もう二度と、過...
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其ノ壱ノ弐:ニジノムコウニ(弐)

二人はアスカの船室に向かう廊下を歩いていた。お互いの手を固く繋いだまま。一時たりとも離したくない、離れたくないという心の現われなのか。船員から向けられる好奇の視線も気にすることなく、二人は歩いた。「よっ・・・・そこのお二人さん」まもなく部屋...
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其ノ壱ノ参:ニジノムコウニ(参)

新横須賀沖を進む、国連太平洋艦隊。旗艦オーバー・ザ・レインボウの指令室内に非常事態を示すサイレンが鳴り響く。「テンペスト、沈黙!」「リンデンバウム、大破!乗員は脱出!」「状況報告はどうなってる!!」「ダメです!敵生体を捉えられません!」「何...
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其ノ弐:ゴサン

NERV本部内、司令専用執務室。薄暗く、広い室内で対峙する二つの影。一人はNERV総司令、碇ゲンドウ。執務机に肘をつき、口の前で手を組むいつものポーズ。もう一人は諜報部所属、加持リョウジ二尉。総司令の面前にも関わらず、常の飄々たる態度は変わ...
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其ノ参:ウタゲノアト(前)

某月某日、0900。第三新東京市南東100キロの沖合いに正体不明の物体を発見。毎時25キロのスピードで侵攻を確認。同日、0915。パターン照合後、同物体を第七使徒、と断定、第二種警戒体制発令。上陸予想時刻、同日1300。同日、1000。パイ...
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其ノ参:ウタゲノアト(中)

「飲み物は行き渡りました?」「大丈夫よん♪・・・・・・・・ぷっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」「・・・・ってミサトぉ!!乾杯の前に飲んでどーすンのよ!!」「べっつにいいじゃなぁい・・・新しいの開けるダケだしぃ♪」「どーでもエーから早よしよや・・...
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其ノ参:ウタゲノアト(後)

宴会が終わった葛城家のリビングルーム。そこにいるのはミサトとリツコだけ。シンジとアスカは台所で後片付け、レイはアスカのベッドで就寝中。残りは加持が車で送って行ったところだ。リツコは手にしていたグラスをテーブルに置き、声を低くしながら問い掛け...
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其ノ五:クラヤミ

第三新東京市内の、とあるバー。週末の夜ともあり客の入りは上々、空席は見当たらない。そんな店のカウンターで、ストゥールに腰掛け談笑する長髪の男、そして美女が二人。時折笑顔を見せつつも、会話の内容はその雰囲気にまったくそぐわないものであった。何...
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其ノ六:ヤクソク

NERV本部、発令所。一段高い位置にある司令席。総司令・碇ゲンドウは手を顔の前に組む、いつものポーズで。副指令・冬月コウゾウはゲンドウの斜め後方に立ちながら。せわしなく動き回る職員達を見下ろしていた。オペレータ・日向マコト、青葉シゲル両名に...