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【完結】福音ヲ伝エシモノ

其ノ壱拾七:シンジ (参)

放課後の音楽室。度重なる戦闘により生徒の大半が疎開してしまったため、滅多に人が来る事はない。その室内に、シンジはいた。彼は調玄を終えると目を閉じ、ゆっくりと弓を構え、そっと弦に当てた。誰に聞かせるわけでもなく、ただ自分のために。感情の波に覆...
【完結】福音ヲ伝エシモノ

其ノ壱拾六:シンジ (弐)

「はぁ・・・・シンちゃんはまだ立ち直ってないだろうし、レイはレイだから・・・・・・・・なぁんか帰りづらいなぁ・・・・・・」コンフォート17マンションの駐車場。愛車・ルノーA110のドライヴァーズ・シートに身を埋めたまま、葛城ミサトはかれこれ...
【完結】福音ヲ伝エシモノ

其ノ壱拾五:シンジ(壱)

・・・・・暖かい、や・・・・・・  ・・・・・なんだか懐かしい・・・・・ぬくもり・・・・・・   ・・・・・でも、重いなぁ・・・・・・   ・・・・・明るい・・・・・?  明るい?  光?明るさに目を慣らすように、ゆっくりと瞼を開く。カーテ...
【完結】福音ヲ伝エシモノ

其ノ壱拾四:アスカ(弐)

トントントントン・・・・・・・台所から聞こえてくる、音。何度も聞いたリズム。微かに流れてくる、お味噌汁の香り。カーテンをうっすらと染める、朝日。・・・・・・と、いうコトは。このまま待っていれば。このままじっとしてれば。すぐに聞こえてくるはず...
【完結】福音ヲ伝エシモノ

其ノ壱拾参 :アスカ(壱)

福音ヲ伝エシモノ     其ノ壱拾参:アスカ(壱)    EVAに乗るしかないのよ     ま、アンタにはソレしか取柄がナイからねこれ以上私の心を侵さないで!たいした思い出もナニもないクセに     汚されちゃったよぉ     笑わせンじゃ...
【完結】福音ヲ伝エシモノ

其ノ壱拾弐 :アンウン(後)

「使徒によるサードの捕獲、そしてセカンドの心神喪失………今回の作戦での失敗は全て私の責任です………申し訳ありません!!」NERV本部・作戦室内。首脳たるゲンドウ、冬月が見つめる前で、ミサトは深々と頭を下げた。後悔と苦渋を隠すことなく。「顔を...
【完結】福音ヲ伝エシモノ

其ノ壱拾弐 :アンウン(中)

第三新東京上空に唐突に現れた第壱拾弐使徒・レリエル。黒と白の模様のついた、巨大な球体。地面を覆うように伸びた、漆黒の影。誰がどう見ても宙に浮く球体が本体であると考えるだろう。だが      「あの影が使徒の本体で、球体が影なんて……非常識も...
【完結】福音ヲ伝エシモノ

其ノ壱拾弐 :アンウン(前)

いつもと変わりのない朝。アスカ、レイと共に教室のドアをくぐったシンジは、自分の席のところに親友2人が立っているのを見かけた。「よっ、おはようさん!」「お・・・来た来た。おはよう、シンジ」「おはよう・・・トウジ、ケンスケ」「なぁ、シンジ・・・...
【完結】福音ヲ伝エシモノ

其ノ壱拾壱 :ダミー

カタカタカタカタ          人気の少ない発令所に、キーボードを叩く音が響く。素早いキーボード操作でチェックルーチンを入力しているマヤ。長い間モニタに流れる文字列に集中していた彼女だったが、ふと昼間の会話を思い出す。MAGIの定期検診...
【完結】福音ヲ伝エシモノ

其ノ壱拾:ゲンドウ

第三新東京市、郊外。丘陵の一角を切り開いて作られた墓地に、シンジはいた。『YUI IKARI』と刻まれた墓碑を目の前にして。小さな花束を墓前に添え、そっと手を合わせる。ここには母の遺骨も何もなく、ただのオブジェでしかない事はわかっている。無...