VOL.1 ~奪われた平穏~

NEON GENESIS EVANGELION

ANOTHER STORY

 

SAVE THE LOVE !!

 

VOL.1 ~奪われた平穏~

 

written by とみゅー

 

時計は午前2時をさそうとしていた。

机に向かい、ひたすら憑り依れたようにペンをはしらせる少年...

辺りは静寂につつまれ、ただ彼のはしらすペンの音だけが響いていた。

「ふぅ...」

少年は大きく伸びをし、時計を眺めた。

「もうこんな時間か...寝なきゃな...」

彼はそう呟くと傍らにあるフォトフレームをみつめた。

フォトフレームの中に輝くような笑顔を見せている1人の少女がいた。

『惣流・アスカ・ラングレー』

セカンドチルドレン...

少年の戦友であり、同居人であった『エヴァンゲリオン』弐号機パイロット...

紅茶色に輝く長い髪、サファイアのような深く澄んだ瞳を持つ少女に、彼は囁くように言った。

「おやすみ...アスカ...」

この少年は『碇シンジ』

サードチルドレンとして『エヴァンゲリオン』初号機を操縦し、数々の戦いの中をくぐり抜けてきた。

シンジはベットに横たわり、部屋の明かりを消した。

眠ろうと試みて瞼を閉ざすが月の明かりが彼の顔を照らし、再び瞼を開く...

『...眠れないよ......こんな夜は......!!』

シンジは枕を頭の上に被せうずくまる。

アスカの笑顔、アスカの泣き顔、アスカの怒った顔...

様々な表情をしたアスカの顔が浮かび上がっては消えて行く....

嘘のない相手への想い....

初めて逢ったときから反発し合いながらも常に相手を求めていた心...

それは優しさであり思いやりであり愛情であったこと....

その事に僅かながら気がついていたにも拘わらず、不器用な愛情表現しか出来なかった二人は常に互いを傷つけ、傷つけられていった...

砕かれていくガラスの心...

それでも大人達は彼らに戦うことを強要し、ついに彼らの心は破綻した...

そしてサードインパクト...

たどり着いた浜辺で初めてぶつかり合う二人の想い....

この時、二人の心はようやく重なった....互いの存在を認め、お互いに必要としていることに...

シンジの心が一瞬穏やかなものになろうとしていた...

だが、彼の脳裏に忌まわしい出来事が蘇り、心の中を吹きすさんだ...

シンジとアスカの新たなる生活が始まった矢先、

彼等は突然現れ、シンジから手に入れたばかりの一番大切なものを奪い去っていった。

《アスカァーーーーーー!!》

《シンジィーーーーーー!!》

二人の絶叫が響きわたる...

『...やっと、解かり合えたのに......これからはずっと二人で生きていこうって誓い合ったのに...』

「どうして...どうして僕達をそっとしといてくれないんだ!!!」

シンジの問い掛けは闇に消え、改めて思い知らさせるのであった。

自分の無力さ...を

それと同時にアスカへの想いの強さ...を

......今の僕には何も出来ない......だが今に見てろ!......必ず.....!!

シンジは布団を跳ね除け再び机に向かい、ペンを走らせた。

碇 シンジ....15歳

世界はサードインパクトの混乱から未だ立ち直れないでいた...

 


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1999-3/20公開
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どうも、こんにちは! とみゅーと申します。

当SSは、シリアスLASストーリーです。

この作品は、僕が初めて執筆したEVA-SSです。

このSSを経て、「流れ行く~」の執筆を開始したものでございます。

至らぬ個所もあるかとは思いますが、

極力修正して公開にいたっております。

お暇のある方は、最後までお付き合いください。

それでは、またお会いしましょう。